@ 「なぜシマウマはしま模様なのか?」という謎には、「ライオンなど猛獣を避けるため」「体温調節のため」など、いくつかの仮説がありますが、結論は出ていませんでした。そういう中、ブリストル大学の研究チームは、シマウマや足にしま模様がある種の馬はアブが多い地域に生息していることを突き止めました。そこで、ビデオ分析技術を駆使して実験を試みることにしました。
A 撮影された映像を分析した結果、アブはシマウマを簡単に発見できるものの、その後の着地に失敗することが判明しました。アブはシマウマに近づくとそのまま通り過ぎたり、体にぶつかったりすることが多く、しま模様のない馬に比べて吸血の成功率は4分の1という結果を得ました。この理由について研究者は、アブはシマウマに近づくことはできるが、ごく近くまで寄った時にしま模様がアブの目をくらませるのだという見立てを発表しました。
B さらに、しま模様のない馬にしま模様のコートを着せたところ、馬に近づいたアブは同じように、その場を通りすぎたり、馬にぶつかったりという様子が確認されました。昆虫の視覚について研究しているベリド博士(ミネソタ大学)は、イカもこれと同様に捕食者の目をくらますために、いざというときには体にしま模様を作り出すことを指摘しました。ベリド博士は目くらまし効果のためには、「しま模様の太さと方向が均一でないことが重要であると指摘しています。