@ 対話型の人工知能(AI)ソフト「チャットGPT」は昨年11月、アメリカで無料公開されると、わずか2カ月で利用者が世界で1億人を超えました。質問を入力するだけで、すぐに説得力のある回答が返ってきます。AIの専門家によると、チャットGPTが世界を変えうる可能性があると評価。一方、海外では利用を一時停止する国や大学が出るなど、「チャットGPT」の評価は割れています。
A チャットGPTは、ネット上の膨大な文章や画像データをAIに読み込ませ、学習させています。質問を打ち込むと、自然な言葉で回答してくれます。例えば、アメリカ司法試験問題の解答をさせてみると、上位10%の成績をたたき出しました。一方、チャットGPTは確率的に可能性の高い文章をもっともらしく作成します。そのため「うそが含まれている可能性」があります。実際に、内容がとんちんかんの場合もあります。利用した人は、「非常に話し上手な『知ったかぶりの人物』と会話をしているような感じ」と感想を述べる人もいます。
B 制限を求める声は出版界や教育界からも出ています。チャットGPTに頼ることによって、思考力が育たなくなったり、論文や作文で不正利用(盗作)が当たり前の世の中になったりしかねないからです。誰もかれもがAIを使い、世の中にAIによる文章があふれる可能性もはらんでいます。