@ 燃料輸入価格の上昇で電気料金の値上がりが止まりません。こういう現状にあって、松山市の水処理メーカー「愛研化工機」が、工場で大量に捨てられている「排水(汚水)から電気を作り出す技術」を開発しました。開発したのは小さな会社(従業員10人)です。開発した「ネット・ゼロ・エネルギー型排水処理システム」という最新装置を稼働すれば(=機械を動かせば)、汚れた排水をきれいにするだけでなく、処理過程でエネルギーが発生します。それを活用して発電するのです。
A この装置で欠かせないのが「グラニュール」という微生物です。大きさは1ミリ、排水に含まれる有機化合物をメタンガスに変える性質があります。発生したメタンガスを装置の中で燃焼させることで、ボイラーとしての利用のほかガスタービンを回転させることで発電も出来るのです。
B 会社では、この技術をインドネシアに普及しようと計画中です。インドネシアのゴロンタロ州(人口約120万人)では農業や水産業など、一次産業が盛んです。ところが、家庭から出る生活排水や工場排水は処理が不十分なまま垂れ流しです。町の中心部を歩くと、汚水から鼻をつくような臭いが辺りに漂っています。一方、排水処理には大量の電気が必要ですが、この州では電力不足も課題となっています。そこで愛研化工機では、この両者(汚水と電気)の課題解決に乗り出しているのです。