@ 戦後、奇抜な名前はあまり付けられなかった。ところが平成年代(1990年代)以後、皇帝(しいざあ)、一二三(わるつ)、今鹿(なうしか)など、奇抜な名前が増えはじめた。こういう名前が「キラキラネーム」としてテレビなどで紹介され、急激に広がってきた。そうした名前を付ける親たちは、「個性」「自由」をさかんに口にし、人に読めない、男女不明の名前を好んで付けるようになった。
A こういう流れを受けて2024年から、住民台帳や戸籍にふりがなを記入することになった。ただ、「氏名に用いる文字の読み方として一般に認められているもの」というルールが設けられる。漢字と反対の意味になってしまう、読み違いされやすいなど、例えば、高(ヒクシ)、太郎(サブロウ)などの読み方は認められなくなる。
B 令和の時代になり、かつてキラキラネームと呼ばれたような奇抜な名前の流行は去った。が、まだ残り火はくすぶっている。例えば、陽葵(ひなた)、満星(まほ)、颯(はやと)など、耳で聞いたら普通の名前であっても読めない、読み間違えやすいという名前は依然として多い。名前を付ける相手は、自分自身の子である。子どもの名前は、何十年もの長い人生の中で使い続ける大切なものである。そのことを自覚しながら、「この名前で我が子は納得できるか」と親は自問自答して届け出て欲しい。