@ 地球上には、約800万種の生物が存在しています。その800万種の生き物は、すべて必ず死ぬ運命にあります。私たちヒトも、は誕生した時から死ぬように設計されています。しかし、そのおかげでヒトは進化できました。地球最初の生命は、熱水が噴き出るようなところで誕生したと考えられています。熱水が噴き出る場所では、いろいろな物質が出てきます。加えて温度が高いので化学反応が起こりやすい環境にあります。そこで生物の材料となる「有機物」が出来ました。特に重要な有機物は、RNAとアミノ酸です。RNAは、遺伝情報を運びます。アミノ酸は、生物の体を作る材料です。
A RNAには、3つの面白い特徴があります。1つ目は、化学反応を起こします。自身を切ったり、他のRNAとつながったりができます。2つ目は、自分を複製(コピー)する能力があります。3つ目は、壊れやすいということです。つまり、コピーしては壊れコピーしては壊れを繰り返すわけです。
B そして、奇跡が起こりました。奇跡というのは進化です。進化とは、「変化と選択」によって実現します。つまり、生物は突然変異を繰り返す中で、周りの環境に適応するモノが選択されて生き残り、その結果として進化してきたのです。言い方を変えると、死ぬことによって進化するのです。つまり、私たち人間が今ここに存在しているのは、進化、つまり過去の無数の生き物の死のお陰なのです。