@ 私たちの腸には1000種40兆個もの腸内細菌がすんでいて、腸の調子を整える働きがあります。しかし、腸内細菌の働きはそれだけでありません。近年、腸内細菌は研究が急速に進歩し、私たちの健康・病気に大きな影響を及ぼすことが分かってきました。
A 例えば、青山学院大学研究で「腸内細菌が持久力を高めてくれる」という研究成果が発表されました。青山学院大学陸上競技部に所属する、男子の長距離走ランナー48人の腸内細菌を調べたところ、同年代の男性たちと比べ、腸内細菌「バクテロイデス・ユニフォルミス」が多くいることが分かりました。また、陸上競技部員に3000メートルを走ってもらい、計測タイムと腸内細菌の数との関係を調べると、バクテロイデス・ユニフォルミスの数が多い人ほどタイムが速いという結果が出ました。
B 健康であるためには、腸内細菌の種類がバランスよく棲んでいることが大事です。そのためには、「好き嫌いせず、さまざまなものを食べる」のがいちばんのポイントです。中でも特に、腸内細菌のエサになるオリゴ糖・食物繊維が大切です。例えば、これらを含む、海藻、きのこ類、玄米・大麦などの雑穀、大豆・大豆製品、野菜、根菜類、バナナなどの果物、魚など、意識して食べることが大事です。ヨーグルト・発酵食品なども、腸内環境を整える上で効果的です。