@ コロナ禍の3年間、日本ではずっと「マスク生活」を続けてきました。そんな中、今年5月7日から、新型コロナが「指定感染症第2類」からインフルエンザと同じ「第5類」に移行します。欧米では去年4月にマスク着用の義務を失くしたところ、人々は一気にマスクをしなくなりました。一方、今年3月13日「マスク着用は個人の判断」となった日本では、大半の人がマスクをしています。
A その背景の一つに、欧米人と日本人の文化の違いがあります。人の表情を読むとき、欧米人は口元であり、日本人は目元であると言われています。欧米では、人前で顔を隠すことを違法とする「覆面禁止法」さえあります。一般的に欧米人は、口元を隠すマスク着用を嫌うのです。一方、日本人は目元で表情を読むため、マスクで顔の下半分が隠れていても困りません。逆に相手がサングラスをかけて目元が見えない場合、表情が分からなくなります。不安や恐怖を感じる人もいます。欧米の人にマスク着用を強いるのは、日本人にサングラス着用を義務付けるのと同じような意味があるのです。
B ところで、日本においてはコロナが収束したあともマスクを外したくないという、「マスク依存症」のような人も少なからず存在します。特に若い女性に多く見られるようです。その理由として、「マスクをした方が美人に見える(マスク美人)」「マスクを外すと恥ずかしい」という考え方があります。こういう日本では、コロナ禍以前のようなマスクなしの日常が、いつ戻ってくるのでしょうか?