@ 「田んぼ」には昔から、雨水を一時的にためて洪水を抑える「ダム」のような働きがありました。これに最新の技術をプラスして「治水(=洪水にならないようにする)」の効果を高めることをねらった「スマート田んぼダム」という取り組みが始まっています。大雨が予想されると、市の職員が水門をパソコンで遠隔操作して、あらかじめ田んぼの水をすべて排水します。水を出し切った田んぼは雨をより多くためることができるので、周辺の浸水被害を減らすことにつながります。「田んぼ」が「ダム」のような働きをするのです。
A 最近の実験の結果では、「スマート田んぼダム」を導入した場合、浸水する面積を3割程度減らせるとされています。スマート田んぼダムは、農家側にもメリット(=良いこと)があるといいます。農家の方は、水位や水温の調整といった田んぼの水の管理を、一人一人直接出向いて行ってきました。スマート田んぼダムが導入されれば、出かけなくても作業をスマホで行えます。
B 開発しているメーカーによると「現在は大雨の予報が出たら、自治体の方が田んぼダムを作動・操作する手間が必要でした。そこで、今後は田んぼダムの作動をコンピュータ(人工知能)で自動化していくことを目指しています。」とのことです。将来的には、全ての操作を「雨の予測データ」と連動させて、自動的に行うことが考えられています。