@ 「可燃ゴミ」から、液体「エタノール」をつくろうという取り組みが進んでいます。実用化すれば、今は焼却や埋め立て処分されている可燃ゴミが「資源」に変わる可能性があります。エタノールはアルコールの一種で、私たちが飲むお酒に含まれる物質です。新型コロナ禍の今、手指の消毒に広く使われています。
A 運び込まれた可燃ゴミは約5センチ角に裁断されます。それを1,000度以上に熱した砂の中で、蒸し焼きにします。そうすることでゴミは完全に燃え切らず、分子レベルにまで分解されて「ガス」になります。今回の新しい技術では、このガスから「エタノール」の生産に必要な一酸化炭素と水素だけを取り出します。
B ガスからエタノールをつくるために使われるのが「微生物」です。この微生物はガス(一酸化炭素と水素)を食べて、エタノールを作り出します。この微生物は、ウサギの腸内にいる安全なものです。この研究が実用化されれば、石油の使用量を減らすことも出来ます。棄てる(燃やす)だけだった可燃ゴミが、資源に変身する夢の研究が今、実現しようとしているのです。