@ 人間の体は死んだ細胞で覆われ、それによって守られています。人間の肌(皮膚)は、真皮と表皮から成り立っています。そのうちの表皮の厚さは0.2ミリほどで、表皮の外側は角質層で、その内側が基底層からできています。基底層は絶えず分裂を繰り返しており、押し上げられた角質層は「死んだ細胞」です。したがって、肌の表面は「死んだ細胞」で覆われているということになります。
A 爪や髪もすべて角化したものであり、死んだ細胞です。では、死んだ細胞である「肌」は役に立っていないかというと、それは大間違いです。死んだ細胞の役割は重要です。その役割とは、「水分の蒸発を防ぐ」「体温を調節する」「微生物の侵入を防ぐ」「熱い・痛いなどの刺激から体を守る」などです。生命を維持するために重要な役割を果たしているのです。特に「水分の蒸発を防ぐ」役割は、とても大切です。生きた細胞は、空気に触れるとすぐに乾燥してしまうからです。
B ところが、人間の体の表面で死んだ細胞で覆われてない部分が一つあります。それは目です。目のように生きた細胞が直接大気にされている(触れている)のは、人体では珍しいケースです。その目が乾燥せずにいられるのは、瞬きをすることによって「涙」が常に目の表面を覆ってくれているからです。