@ 唾液の分泌量は、成人は一日あたり1.0〜1.5リットル(ペットボトル2本〜3本)です。この唾液には多くのはたらきがあります。唾液に含まれている「アミラーゼ」という酵素はデンプンを分解し、消化を助けています。また、口内細菌や食べ物のカスを洗い流す役割も担っています。これを自浄作用や洗浄作用と呼び、とくに食事中の咀嚼(噛む)行為によって活発に行われます。
A 唾液には、その他にも多くの働きがあります。例えば、唾液が少なくて口内が乾燥すると細菌が繁殖し、口臭の原因となります。また、唾液が歯や口内粘膜を覆うことで、細菌による刺激や感染、歯の摩耗・脱灰(歯のエナメル質が溶ける)を防いでくれます。更に、潤いによって舌や喉の動きがなめらかになり、食事や会話がスムーズになります。また、唾液に含まれる乳酸菌は、身体に悪い影響を与える口内細菌(病原体)へ対抗するためにも欠かせません。十分な唾液の分泌により整えられた口内環境は、風邪やインフルエンザ予防のためにもきわめて重要です。
B 唾液の分泌を促すためには、よく噛む、こまめに水分補給をする、(口呼吸ではなく)鼻呼吸をする、酒やたばこなど刺激物を減らす、唾液腺マッサージをするなどが重要です。口内環境は、健康的な生活をするために欠かせません。そのためにも、唾液の分泌量を意識して生活しましょう。