@ 「ヤングケアラー」とは、本来ならば大人が行うべき「家事や家族の世話(介護)を日常的に行っている子どものこと」を言います。近年、このようなヤングケアラーが(友人ができないなどが理由で)学校で孤立してしまうケースが増えています。さらに深刻な問題は、勉強への影響です。特に、
遅刻・早退・欠席は非常に大きな問題で、不登校などに発展する場合あります。また、進学や就職を諦めざるを得なくなってしまうケースも増加しており、今や社会問題となってきています。
A 毎日新聞の調査によると、家族を介護する 15 歳〜19 歳は、全国で 3万7,100人(2017年)と推計されています。さらに、関西学院大学が行った調査(2019年:大阪府の高校生約5,200人を対象)によると、高校生20人に1人が家族の介護を行っている実情が明らかにされました。ケアの内容としては「家事」が最も多く、外出時の介助、心の支えと続いています。
B 「ヤングケアラー」の一つの特徴は、家事を手伝う良い子として周囲から見られていることが多く、本人も家族も深刻な状況に気づきにくい点です。進路選択や成績の変化など、気づくタイミングはいくつかありますが、それを周りの人が見過ごしてしまうと、後の人生にまで大きな影響を与えてしまうことにもなりかねません。