@ アメリカは当初、琉球人は日本帝国主義に支配された異民族であると認識し、日本が江戸時代に武力で制圧した島だと考えていました。そこで終戦の年(1945年:昭和20年)から、沖縄はアメリカ合衆国の地域として扱われ、アメリカ合衆国による占領統治が続きました。その27年後、沖縄の日本復帰運動が実を結び、1972年(昭和47年)5月15日、沖縄は日本に復帰することになりました。
A 2022年5月15日、沖縄の日本復帰から50年が経過し、記念式典が開かれました。この式典でのあいさつで、岸田総理大臣・玉城沖縄県知事がともに言及したのが「基地負担の問題」です。全国のアメリカ軍基地の、実に74%が沖縄に集中しています。なぜ沖縄は、これだけ大きな負担を抱え続けているのでしょうか? 一番の理由は、アメリカが沖縄を「太平洋の要石」と位置づけ、軍事基地機能を強化しているからです。
B 沖縄の尖閣諸島では、中国海警局の船が領海侵入を繰り返しています。また、中国と台湾との間はますます緊張が高まっています。しかし、沖縄の日本復帰から50年という大きな節目を機会に、「基地負担の問題」を日本全体で真剣に考えるべきです。とりわけ、沖縄には「基地の島」としての顔があり、日本の安全保障を支えているという認識を持つことが基本的な視点です。そして、沖縄の負担をいかに分かち合っていけるのか、また、どのような支援が必要なのかを考えていく必要があります。