@ 195の国が参加するIPCC「気候変動に関する政府間パネル」がまとめた第6次報告書(2021.8)によると、「人間活動による温暖化で、すでに様々な悪影響や損害が出ている」と明記しています。ここまではっきりと現状を指摘したのは、初めてです。例えば、農業や漁業への悪影響、世界的な食糧不足、熱帯性の感染症や暑さによる健康被害、洪水や暴風雨の被害が具体的に述べられています。
A 将来の影響については、気温がどれだけ上昇するとどれだけ悪化するか見積もられています。世界各国は、産業革命前に比べ気温上昇を1.5℃までに抑えることを目指しています。もし2℃上昇した場合は被害が2倍に増加、3℃上昇すると最大4倍に被害が増えると見積もられています。
B 日本では近年、台風や大雨による被害が増加していますが、今後はさらに一日に200ミリ以上という集中豪雨の日が、今より1.5倍以上に増えるとされています。また、最高気温35℃以上の猛暑日は、このまま温暖化が進むと、今世紀末には全国平均で20世紀末より19日も増えると予測されています。食糧自給率が低い日本では、農業や漁業への影響も心配されます。少しでも気温の上昇を抑えることがこれら被害を減らし、多くの人の命を守ることにもつながります。そのためには一刻も早く世界全体で「温室効果ガス」(二酸化炭素)を大幅に減らす必要があります。