@ 卵は栄養価が高く、食卓には欠かせない食材の一つです。ところでニワトリの卵殻(卵の殻)は、その90%以上が純粋なカルシウムで出来ています。卵1個で約1800mgのカルシウムが含まれています。卵殻のカルシウムは胃液で消化されやすく、体内への消化吸収に優れています。卵殻はそのままでは食べられません。卵殻を沸騰したお湯で茹で、殺菌した上で粉状にして食べます。
A ところで、家庭や工場から出る「卵の殻」は年間26万トンにも上り、大半はゴミとして捨てられています。これをうまく再利用できないか、企業が動き始めています。これまで活用された例として、卵の殻から造った子ども用いすがあります。卵の殻と樹脂を混ぜたもので70%が卵の殻、陶器のような肌触りになっています。
B 現在研究されているのは、卵の殻の内側についている「卵殻膜」の活用です。卵殻膜は卵の中身を細菌などから守る役割を担っているので抗菌効果があります。この特長を活用して、京都市の「ファーマフーズ」という会社では、溶かした卵殻膜を繊維の原料に混ぜて「糸」をつくることに成功しました。この糸から作った下着や靴下などには、抗菌や消臭の効果があります。この他にも、卵殻膜を使った健康食品や医薬品を開発している会社もあります。