@ 生物学からみると、「現在存在している生物は進化が作った」と言えます。勝手にぽっと現れたのではなく、進化の結果、今存在するさまざまな生物が出現しました。言い換えると、「変化して選択された」わけです。変化というのは専門用語で言うと「変異」です。遺伝情報が変わると、姿・形・性質が変わります。これが変化(変異)であり、進化です。
A 進化は「運がいいものが生き延びる」という法則があります。例えば、3億年前の古生代(恐竜の時代のさらに前)、羽を広げると70センチの肉食で強いトンボがいました。この大きなトンボはあっさり絶滅しました。どういうトンボが残ったかというと、例えば蜻蛉です。成虫になったら、数十時間しか生きられないつかの間の命です。あまりにも短いから、口すらないんです。つまり、たまたまその条件で生き残れるものが生き残れたわけです。
B 中生代の終わり、今から6,650万年前にユカタン半島に巨大隕石が落ちました。その結果、気候の変動が激しく起こって、恐竜が絶滅しました。恐竜だけではなく、中生代の生き物の約70%が絶滅しました。その中でたまたま生き残った一つが、われわれのご先祖「小さな哺乳類」です。たまたまの理由は隕石です。それまで地球を支配していた恐竜(大型の爬虫類)がいなくなったおかげで、哺乳類は当時の環境に適応し、いろんな場所で進化したのです。