@ 農業については「担い手不足」「若者離れ」という課題が指摘されています。そうした中、多くの若者が集まり、会社員のように働く「農業法人」が全国から注目されています。新潟県上越市にある農業法人「穂海農耕」は社員は19人、平均年齢は31歳です。社長の丸田洋さんは、若者を農業にひき付ける秘密は「安定して働くことができる会社のような組織づくりにある。」と言います。また「一年を通して給料もきちんと出ることは当然で、昇給もボーナスもある。」と話しています。
A 丸田さんの農業法人では総務部や人事部などを設置し、出退勤管理はタイムカードで行い、残業代も15分ごとに支給します。また農作業にシフト制を取り入れ、休みが取りにくいのが当たり前の繁忙期でも、最低週一日は休日を確保しています。一方、田んぼで作業ができなくなる冬は、スキー場の除雪などの副業や長期休暇を認めていて、社員が自分のための時間に充てることができます。
B 丸田さんは重機メーカーのエンジニアを経て、16年前に農業の世界に転身しました。年々規模を拡大し、米作りでは国内有数の規模に育て上げてきました。組織の形を一般企業に近づけることで、興味を持ってくれる若者が増えてきたと手応えを感じています。農業の初心者のために、作業の手順を詳しくまとめたマニュアルを作成。視覚的に分かりやすい動画も作りました。さらに農作業にも役立つ資格を取得するための費用を全額負担するなど、キャリアを後押しする制度も設けています。