@ 校則の見直しに取り組んでいる学校があります。栃木県立足利清風高校です。校則が厳しいと知られるこの学校では、校則が約90項目に上ります。下着の色は白かベージュ、地毛がくせ毛の場合は「地毛申請書」を提出、宿泊を伴う旅行には「旅行届」を担任に提出など、生徒や保護者から疑問の声が寄せられ、見直しに乗り出したのです。
A 校則が全国的に厳しくなったのは、校内暴力が吹き荒れた1980年代(昭和50年代後半)と言われています。生徒の服装や行動が乱れ、生徒間暴力や教員が生徒に殴られる事件が日常風景とも言われた時代です。特に都会地の多くの学校で授業が成立しなくなりました。これを沈静化させる手段として、厳格な校則が登場し始めました。
B 校則見直しに参加した、東島浩幸弁護士が特に疑問に思ったのは「校外生活」という項目でした。生徒だけでの外食の禁止、校区の外に出るときには制服を着用、保護者同伴でもカラオケへの立入禁止など、本来は保護者の責任であるはずの家庭の過ごし方まで、校則で定められていたのです。東島弁護士は「学校の厳しい目があることで、家の中でも落ち着いて生活してくれる。本来は保護者、地域住民が担うべき役割を、先生が長時間労働によって担っている。これは『学校依存社会』です。保護者や地域住民も一緒に考えなければならない課題です。」と語っています。