@ 真っ青に透き通っていた海が灰色に染まり、波までが白と黒のうねりになりました。しかし翌日、その灰色はどこかに消え、また青い海が戻ってきたのです。8月13〜15日にかけて、小笠原諸島の海底火山が噴火しました。それに伴い発生した軽石が、沖縄県や九州地方の沿岸に大量に漂着。海岸を埋め尽くし、異様な光景を出現させたのが原因です。
A 噴火によって噴出した軽石は1億〜5億立方メートルと推計されます。1億立方メートルでも東京ドームの容積の80個分にあたります。今回ほどの大量の軽石出現は、約2000年前の瀬戸内海沿岸などの遺跡から確認することはできますが、それ以後は例がありません。この事態を受け、2人の専門家は、「大量の軽石の漂着は、日本を襲う巨大地震の前兆だと考えられます。」と話しています。
B 今回の噴火は、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが潜り込み、フィリピン海プレート内部のマグマが圧縮されて噴火したと考えられます。これは太平洋プレートの動きが、活発化していることを意味しています。阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)のときも、発生の2か月ほど前に似たような地殻変動の異変が見られました。今回は今年の8月半ばから9月末にかけての異変なので、12月末までに巨大地震がくることは、充分考えられます。