@ シロアリは、人類が生まれるよりもずっと前から地球上にいる生き物です。シロアリが長い年月生き続けてこれた要因の一つに、「寿命」に関する工夫があります。シロアリと一言で言っても、その役割によって、働きアリ・兵隊アリなど「階級」で分かれています。その階級によって担う役回りが異なります。さらに、寿命までもがそれぞれの階級により異なっているのです。
A シロアリの巣の中でも最も数が多い、働きアリ・兵隊アリの寿命は5年と言われています。それに対して女王アリの寿命は20年と言われています。シロアリの寿命は昆虫の中でもとても長いことで有名です。一般的な昆虫の平均寿命が2ヶ月ほどであることを考えるととても長いことがわかります。では、どうしてシロアリはこれほどまでに寿命が長いのでしょうか。山口大学の研究によると、シロアリは「活性酸素を制御する(抑える)」ことで寿命を長くすることを可能にしているようです。
B 活性酸素は体内の細胞を酸化させ、私たち人間にとって老化やがんの原因となっています。これは他の昆虫や動物でも同じです。この活性酸素の無害化をどう克服(打ち勝つ)できるかが長寿の鍵とも言えるのです。まだ詳しいことは分かっていませんが、シロアリは酸化を防ぐ抗酸化物質を体内にたくさんもっており、それが長寿化を可能にしているのです。