@ 近年、人工知能(AI)による画像生成技術が発達し、独創的な絵が次々と誕生しています。なかには(五千万円など)高額で「AI絵画」を購入する人も増えてきています。例えば「ディープフェイク(人工知能にもとづく人物・風景画像合成の技術)画」です。AIは実在しない人物や風景を現実そっくりに描写できるので、一見してフェイク画像だと見分けられないほどです。こういう美術作品はAIが作成したとしても、同じように美術としての価値を見出す人も増えてきているのです。
A まるで「レンブラント」(光と影の明暗を明確にする技法を得意とした画家)が描いたような絵をAIが制作した事例もあります。レンブラントの作品をAIがたくさん学習し、レンブラント独自の光と影の入れ方だけでなく、作品の表面の質感まで見事に表現されています。このようにAIは元となるデータがあれば、それに基づいた作品を自動的に描くことができるのです。
B しかし、「AI画家」の登場によって人間の画家の仕事が奪われる、という自体は起こらないと考えられています。AIが発達すれば、逆に画家の仕事を手助けしてくれるようになると考えることもできます。例えば、AIが作成した絵から着想を得て自分独自の絵を描いたり、画家は枠線だけを描いて色付け作業はAIに任せるといったこともできます。このように、AIによって画家の仕事の可能性を広げたり効率化できるのではないでしょうか。