@ 月は、地球の4分の1ほどの大きさです。地球に大きな惑星(地球の大きさの3分の1)が衝突し、宇宙に飛び散った(惑星と地球の)破片が寄り集まって月が生まれました。その月は、誕生してから毎年4センチずつ地球から遠ざかっています。月が遠ざかるにつれて地球の自転は遅くなり、一日の時間も長くなってきています。現在、月と地球の距離は約38万キロ。月が誕生した頃の約2万キロの時代は、一日の長さが約4時間ほどでした。
A 月の引力は地球の自転軸の傾きを23度に保ち続けています。軸の傾きが1度でも変化すると、地球では気候の大変動が起きます。月は地球の気候の調節装置のような役割を担い続けているのです。一説によると地軸がわずかに傾いたために、草原地帯だった「サハラ」(アフリカ北部)が砂漠化したと言われています。地軸が大きく傾くとエジプトが雪に埋もれたり、南極が砂漠化したりするなど、今では想像もできない気候変動が起こるとされています。
B 月がこのまま遠ざかって引力が及ばなくなってしまうと、今度は地球は超高速で自転を始めます。一日の長さは約8時間となり、時速数百キロの強風が吹き荒れます。地軸は不安定にぐらぐら揺れ動き、世界中が激しい気象変動に見舞われます。人類はとても生きていけなくなります。まさに月は、地球(人類)にとって無くてはならない貴重な存在なのです。