@ 文部科学省の2019年度の調査によると、裸眼視力(メガネをかけないで測った視力)が「1.0未満」の小学生は35%、中学生は57%と、過去最悪の結果となっています。子どもの視力低下は、気付かないうちにどんどん進行します。原因は、子どもの優れた目の調節力にあります。子どもは視力が悪くなっていくと、それを見えやすく直す力が備わっているのです。しかし、その状態が続くと目に大きな負担がかかって、さらなる視力低下を招きます。
A 視力低下の原因は遺伝もありますが、生活環境も大きな原因の一つです。例えば、眠る時の部屋の明るさです。「寝室を真っ暗にして眠る人と、昼間と同等の明るさで眠る人とでは、前者の方が近視が少ない」という実験結果が報告されています。また、スマホの利用です。小さな画面の中で、細かな動きを目で追うため、疲労度が高まります。ときどき目を休めたり、スマホを使う時間を制限したりするなど、家庭内でルールを決める必要があります。
B この他、日常のなかでもできる視力維持の対策がいくつかあります。ひとつは、週7時間以上は日光を浴びることです。太陽の光が子どもの近視化を防いでくれます。その他、正しい姿勢で距離を適切に保って見る、目を使い過ぎたときは温かいタオルを目に当てるなど目を休める、遠くと近くを交互に見る目の体操をするなど、心がけていきましょう。