@ 「オンライン診療(遠隔診療)」とは、情報通信機器を用いた診療のうち、医師が患者と離れた場所からリアルタイムで診療を行うものです。患者は医療機関に行くことなく自分のスマートフォン・タブレット・パソコンなどを用いて診察を受けることができます。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、仙台市は市内の病院と協力して「オンライン診療」の実証実験を行いました。
A この実証実験は、安藤健二郎医師(あんどうクリニック)で行われました。生活習慣病を抱える患者の定期健診ではビデオ通話を利用し、ノートパソコン越しに患者役の男性に対する診療が行われました。マイク付きの聴診器も使われました。患者は医療機関(病院・診療所など)を訪問することなく受診できるため、院内感染(病院内で病気に感染する)などを防ぐことが出来ます。交通手段を持たない高齢者や、医療機関まで遠い島や山間部に暮らす人にとって、ありがたい診療方法です。
B 2020年8月現在、仙台市内の医療機関 212カ所で、オンライン診療が導入され、本格実施に向けて研究が続いています。しかし、その一方でオンライン診療のみでは正確な診断が難しいなど、課題も浮き彫りになってきています。安藤医師は「正確な診断をする上で、オンラインのみの診療では難しい。患者側もオンライン診療に対する信頼は十分でない。」と指摘しています。