@ デスクワーク(座って仕事)の男性は、それ以外の仕事の男性よりも、腎臓病のサインとされる「たんぱく尿」を発症するリスクが1.4倍高いという研究結果を、大阪大の研究チームが発表しました。たんぱく尿は、体に必要なたんぱくが尿に漏れ出る状態です。腎機能の低下などが起こると、血液中のたんぱくが腎臓を通過して尿に出ます。
@ チームは2006年から6年間、定期健康診断を受けた大阪大学の職員 男女計約1万人(20歳〜64歳)のデータを追跡調査しました。その結果、初回健診時に「主な働き方が座った姿勢」と答えた男性3,449人のうち14%が、「たんぱく尿」を発症していました。一方、「立ち仕事など」と答えた男性1,538人では9%でした。一方、女性では働き方とたんぱく尿との関連は認められませんでした。
B 男性でリスクが高い原因や、女性に関連が認められない理由はわかっていません。しかし、チームの山本准教授(腎臓内科)は「長時間のデスクワークを避けることが腎臓病の予防にもつながる」と話しています。名古屋大学の安田准教授(腎臓内科)は、「デスクワークと腎臓病については大規模な調査がほとんどなく、意義のある研究だ。多くの人が腎臓病の危険に関心を持ち、体を動かすきっかけになればいい。」と語っています。