@ 「日本から出て行け!」「学校をつぶせ!」。8月中旬、100人以上のサッカー部員らが新型コロナウイルスに感染した松江市の私立高校には、学校や生徒らを誹謗中傷する(悪口を言いふらして他人を傷つける)電話や書き込みが80件を超えました。また、「感染した社員をクビにしたのか」「従業員の指導がなってない」。7月下旬、岩手県でコロナウイルス感染者第1号となった男性が勤めている会社には、200件を越す電話・メール・インターネット掲示板が殺到しました。
A 誰もが新型コロナに感染する可能性があるにもかかわらず、感染した人を攻撃する事例が後を絶ちません。コロナウイルスが怖いという気持ちが強くなればなるほど、人は利己的で幼稚で暴力的な言動が引き出される傾向が見られます。このような感情は、心理学では「他者の不幸・悲しみ・苦しみ・失敗を見聞きしたときに生じる、喜び・嬉しさといった快い感情」と定義されています。日本では「恥知らずの喜び」と呼ばれ、「他人の不幸は蜜の味」という言葉もあります。
B 子どもは大人が考える以上に、「大人たちの言動」に敏感です。ちょっとでも具合が悪いと「コロナだ!」と騒ぎ立てたり、親が医療従事者というだけでいじめの対象になる事例もあります。そういった言動は傍観者(近くでただ見ている)の子ども達にもストレスになります。母親が先生の悪口ばかり言う家庭の子どもは、先生をバカにします。大人は子どものいじめが発覚する度に、学校や先生の対応を批判しますが、子どもを取り巻く大人が、みんなみんな子ども達の“お手本”なのです。