@ 地球は水の惑星と言われていますが、飲み水として利用できる水はごくわずかです。実は98%が海水で、淡水は2%。その大部分は南極や北極の氷山などで、私たち陸上生物が利用できる水は全体の0.01%程度なのです。この「少ない水」をすべての陸上生物が分かち合って生きているのです。この水が枯渇(無くなる)したり汚れたりすると、すべての生物が絶滅してしまいます。
A 現在、世界の約7億人が水不足の状況で生活しています。不衛生な水しか得られないために、毎日4,900人の子どもたちが亡くなっています(国連水資源報告書)。水不足の地域では、干ばつや地下水の減少、湖沼が小さくなるなど、食糧を作るための農業用水や飲み水さえ十分に得られなくなっているのです。将来的には、現在77億人の世界人口が、2050年には90億人になると言われています。特に問題なのが食糧の生産です。食糧生産による水消費は50年前に比べて3倍増加しています。人口増加と経済発展に伴って、今後ますます水の必要量が増えると思われます。
B アメリカやインドでは地下水が枯れて農業用水が十分に得られなくなり、農地が減り始めています。中国第2の大河「黄河」では次々とダムが建設(現在は流域に三千以上)され、上流での取水が年とともに増えています。そのため、今では一年の半分以上は河口まで水が流れなくなっています。流域の人々は飲料水さえも困っています。また、下流の地域では工場が操業を停止したり、公衆浴場・公衆便所が使用禁止になったりしています。