@ 岩手県八幡平市では30年前から、松川地熱発電所から供給される熱水を暖房に活用するビニールハウス(熱水ハウス)農業に取り組んできています。しかし近年は高齢化が進んで離農者が増え、「熱水ハウス」が続々と放棄されています。とりわけ高齢化が著しい高石野地区では、50棟のすべてが休眠している状態です。せっかくの地熱という自然エネルギーの有効活用は、同市にとって大きな課題となっていました。
A この課題に着目したのが、さまざまな機器をインターネットでつなげるIoT「モノのインターネット」の開発を行う「株式会社MOVIMAS(モビマス)」です。兒玉則浩さん(同社代表取締役)は「土を使わない水耕栽培なので温度や湿度の管理、肥料溶液の作成・施肥(植物に肥料を与えること)を人工知能で自動化しています。また、IoTの威力を発揮してカメラでの遠隔監視、温度などの環境計測も行っています。現在は12棟ですが将来的には50棟まで増やし、200人を雇用する(人工知能のおかげで仕事の負担が少なく、農業経験が無くても大丈夫)計画です。」と語っています。
B 土を使わない水耕栽培は無農薬の上に雑菌もきわめて少なく、洗わずに食べることが出来ます。また、台風や冷害など天候に左右されることもありません。このように人工知能を導入した先端技術を農業に取り入れる動きは、全国に広がりつつあります。