@ 2019年9月14日、イエメンの反政府武装組織「フーシ派」が、サウジアラビアの石油施設を攻撃しました。サウジアラビア当局は、今回の攻撃は7基の「長距離巡航ミサイル」(最大射程は2,000キロメートル)と、18機の「無人航空機」(自爆型)によるものだと発表しました。二つのミサイルは直線的に飛翔するのではなく、自由自在に飛行経路を設定することが可能です。どこから発射されたのかを特定することは困難とされています。
A 今回の攻撃に関して、アメリカ軍関係者などが強く心配しているのは、「サウジアラビアが配備しているアメリカ製防空システム(極めて高度な防空レーダーネットワーク)が全く役に立たなかった」という事実です。世界最高峰といわれていた防空システムは、7基の長距離巡航ミサイルと18機の自爆型UAVを探知することすらできず、石油施設を破壊されてしまったのです。
B 今回の石油施設攻撃は比較的小規模でしたが、長距離巡航ミサイルと自爆型無人航空機を組み合わせた航空攻撃が効果があることが証明されました。したがって今後、人が乗り込んだ飛行機で攻撃するのではなく、無人機による爆撃攻撃が増える可能性があります。さらに今後は、人を危険にさらすことなく攻撃できる、無人潜水艦・無人輸送艦・無人戦車など、空・海・陸すべての領域で無人機の開発競争が激しくなることが考えられます。