@ 哺乳類のなかで唯一、口呼吸しているのは人間だけです。でも本来、口は呼吸器ではありません。人間は「会話」を手に入れるために、口からの呼吸もできるようになりました。しかし、口から空気を吸い込む行為は、健康にとってよくありません。
A 唾液は殺菌作用があり、細菌の繁殖をは抑えています。ところが、口呼吸によって唾液量が減ると細菌の量が増えて口臭が強くなります。虫歯が増えたり歯茎が腫れて歯周病になったりします。口呼吸は上唇周辺の筋肉が使われないため筋肉がたるみ、上唇がめくれてぼけっとした顔になります。一方、鼻呼吸の方は空気は鼻の粘膜を通って水分を吸収し、湿度が高い状態で気管や肺に入っていきます。口呼吸の方は乾燥した空気が直接気管に送られるために、喉や肺を痛め風邪をひきやすくなります。この他にも、睡眠時無呼吸症候群になりやすかったり、アレルギーを起こしやすくなったりします。
B 改善方法として、口に医療用テープ(市販されている)を貼って寝る方法があります。また、食事の時に一口毎に30回以上噛んで飲み込むと、口呼吸が改善されます。最近は「あいうべ体操」も広がりつつあります。口呼吸の自覚がある人は、鼻呼吸に変える努力をする必要があります。