@ 2019年の師走は、関東とその周辺で地震の観測が相次ぎ、「ひょっとすると大地震の前触れではないか」と心配する声が専門家からあがっています。地震は地中にあるプレート(板状の岩盤)のズレで発生します。最近、茨城県の南部で発生した地震は、千葉県からフィリピンまで続く『フィリピン海プレート』が、東京湾の入り口にある『相模トラフ』の下に沈み込んで起きたものと考えられます。
A 2019年は紀伊半島と四国の間にある紀伊水道や、四国と九州の間にある豊後水道などでも震源の深さが40km程度の、「南海トラフ地震と同じ深さを震源とする地震」が目立ち始めています。震源が10km程度であれば「内陸直下型地震」であり、狭い範囲の被害ですが、40kmを超えると非常に広範囲に津波による被害を発生させる可能性が高くなります。
B 他にも、南海トラフ地震の予兆とされる出来事があります。島村英紀さん(地球物理学者)が指摘するのは、駿河湾(静岡県)の記録的な「桜えびの不漁」です。桜えびは駿河湾でしか捕れません。最近、駿河湾に生息する桜えびの不漁が続くのは、フィリピン海プレートの活性化で「駿河トラフ付近に何らかの“異常”が発生したから」と考えられるとのことです。