@ 「接客業だから」「人相が悪くなるから」という理由でメガネを禁止され、健康を犠牲にすることを強いられる女性たちがいます。Aさん(女性 30歳)は数カ月前まで、デパートの化粧品売り場で働いていました。身だしなみは入社後の研修の際に渡された、小冊子に書いてありました。「靴は3?5センチヒール、ストラップがない黒のパンプス(甲の部分が広くあき、ひも・留め金などがない婦人靴)」「メガネの着用は禁止」などでした。
A 靴は外反母趾の場合は「例外」としてヒールパンプス以外も許してもらえました。ただし毎月、医師の診断書の提出が義務づけられていました。しかし、メガネにはそうした「例外」はありませんでした。Aさんは視力が悪く、仕事では毎日コンタクトを付けざるを得ません。コンタクトが目に合わず、ドライアイに苦む日々が続きました。一方、同じデパートには、メガネをかけて接客する男性がたくさんいました。
B メガネは医療機器です。視力の悪い人にメガネを禁止することは、足の悪い人に車椅子を使うなと言うようなもの。村田浩治弁護士は「女性にメガネの着用を禁止するという決まり自体が不合理で、憲法13条で保障する『人格権の保障』の趣旨に反している。」と主張しています。