@ 「ふるさと納納税」は、11年前(2008年5月)に始まりました。希望の市町村に寄付すると、「寄付した金額に応じて税金が値引きされる仕組み」です。ところが、寄付を呼び込もうとする市町村では競争が激しくなり、スタートした当時の目的(税収の少ない田舎の市町村を支えよう!)が崩れて、高額な返礼品(お返しのおみやげ)合戦が展開しました。また、自分の市町村以外の有名な特産品や高額な商品券を返礼品にする市町村まで出てきました。そこで政府は2019年6月、「1万円の寄付に対し、返礼品は3,000円以下にする。」「お金に換えることが出来る商品券や家電製品などを返礼品としない。」という通知を出しました。
A 総務省は新制度の通知に先立って、当初の趣旨を守るよう自治体に要請していましたが、泉佐野市など4市町は要請に従わずに多額の寄付金を集め続けていました。そこで、総務省は泉佐野市などを「ふるさと納税」の対象市町村から除外することを決め、同市に通知しました。
B これに対して、千代松大耕市長(泉佐野市)は記者会見を開き、総務省が同市をふるさと納税の新制度から除外したことを不服(過去の募集方法を根拠に除外するのは法律に反する恐れがある)として、高市早苗総務相を大阪高裁に提訴すると発表しました。ふるさと納税の返礼品を巡る国と地方自治体の対立は、法廷闘争という異例の展開となりました。