最近の入社試験
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授業対象=中学校3年生
実施=2019.5.16


2019.5.13


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全体像


教材


@ 入社試験に「正解のない時事問題」を出題し、学生の資質を測ろうとする企業が増えてきています。例えばある会社では、「東京オリンピック・パラリンピック開催によって、社会・経済にどのような影響や課題があるか、あなたの考えを述べてください。」という問題が出されました。最近の特徴は、知識よりも自分の考えを求められることが多くなっています。情報が簡単に手に入り、人工知能(AI)で素早く処理できるようになった近年、これまで以上に「正解のない課題」について考える力が求められているといえます。

A 企業が面接において時事問題を出題する理由の一つは、学生の情報感度(社会問題に関心があり見解を持っているか?)を確認するためです。時事問題に学生がスピーディーに回答できなかった場合、採用担当者はその学生に対し、「世の中で起きている出来事への関心が低いのかな」と判断します。昨今、世の中の流れは目まぐるしく変化しており、その流れに対応できない企業は倒産していきます。時事問題の出題を通して世の中の動きに関心を持ち、情報収集をしているか、または常日頃から高いアンテナを張っているかなどを確認しているのです。

B 企業が面接において時事問題を出題する理由の二つ目は、ニュースに対して自分の意見を持っているかを見るためです。時事問題について述べる際、ありきたりの回答を述べるのでは不合格です。質問に対してきちんと自身の意見を述べることが出来るのかを見ているのです。

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合計20分〜23分扱い

  図式化(個人学習)8分 

  ⇒4人グループ(相互プレゼン;40秒×3セット) 

  ⇒全体代表プレゼン(計4人;4分)

  =合計時間 20分+アルファ






この教材を使った学習
25分間


  8分……自学(持ち出す教材は4種類@ABC、教材の文章を図式化)
  6分……4人グループ「(1対1)×3セット」で相互プレゼン
  第1セット=@とA、BとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第2セット=@とB、AとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第3セット=@とC、AとB(プレゼン時間は40秒×2)
  6分……全体プレゼン(@ABC、それぞれ代表者1名ずつがプレゼン)

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10分間
聞き取り ⇒再現(プレゼン)


  メモ(図式)を取りながら聞き取り  ……2人ペア(相互に再現)
                     ……代表者による全体プレゼン(1名)
               
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タイトル
晩婚化・生涯未婚率の増加の背景



年齢別の未婚率


 統計を待つまでもなく、未婚率の上昇、結婚年齢の上昇が顕著です。2010年厚労省発表の発表によると、年齢別の未婚率は以下の通りとなっています。

【男性】

25歳~29歳:71.8%

30歳~34歳:47.3%

34歳~39歳:35.9%

【女性】

25歳~29歳:60.3%

30歳~34歳:34.5%

35歳~39歳:23.1%

 男女ともに30歳未満での未婚率は半数を超えています。私の若かった時代(昭和50年代)のように、20代で出産を済ませている女性が大半だった時代は、今は昔です。

 なぜここまで未婚率が上昇したのか? 一般的に理由は、次の4つだと言われています。

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未婚率が上昇した背景



背景1:女性の社会進出


 女性が働きやすい環境が整ってきたことが、未婚率の上昇にもつながっていると思われます。仕事にやりがいを感じ、仕事を続けていきたいと考える女性が当たり前の社会になっています。

 多くの女性にとって、結婚するタイミングがない、結婚する暇がないというのが現実ではないでしょうか。これが未婚率が上がってきている理由の一つと言えます。

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女性の社会進出は
男女平等の原則からも
社会の成熟という視点からも
喜ばしいことです。
ただ
このことが背景となって
結婚したいが
なかなかする気になれない
なかなか出来ない
という現実があるなら
これは打開策を講じないといけません。








背景2:独身主義者の増加


 男性は「結婚すると自由がなくなる」「給料も自由に使えない」など、結婚に対してマイナスの印象を持ち始めているという調査結果もあります。「結婚がすべてではない」「結婚しなくても困らない」「独身のまま方が自由で幸せではないか」と考え、結婚に対して足踏みをし、それが未婚率の上昇につながっていると思われます。

 女性も同じです。「結婚したら家事と仕事の両立がたいへん」「子供や旦那のために生きる毎日になる」「家のために自分の全てを費やすことになる」など、マイナスのイメージを持っている人が増えていると言われています。

 ただ、女性には「子どもを産みたい」という意識も一方であると言われています。出産にはタイムリミットがあります。ある程度の若さが必要です。「高齢出産前の35歳までに子供を産みたい」「出産後は自由がなくなる」「だからぎりぎりまで独身でいたい」、……そんな思いが、一方ではあるような気がします。

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何事も得るものがあれば
その一方で失うものもあります。
結婚(家庭を持つ)ということを
単にメリット・デメリットで考えてはいけません。
一度しかない人生です。
人として生まれて自然の摂理です。

結婚して家庭を持てば
一人暮らしと違った
さまざまな苦楽が待っています。
しかし
より豊かな人生を歩んでいけると
私は考えている一人です。










背景3:収入格差


 結婚適齢期ともいわれる、20代後半の男女には大きな問題です。収入と結婚との因果関係については、さまざまな調査結果があります。

 女性の場合は年収の高低に関わらず、一定の割合で交際・結婚をしています。

 一方、男性の場合は年収300万円以上がひとつの大きなボーダーラインとなっています。300万円以上であれば、結婚率が30%程度になりますが、300万円未満の場合は結婚率が大きく減少します。

 また、結婚率だけでなく、結婚以前の交際状況(恋人無し・交際経験なしが多い)も芳しくありません。男性の年齢にもよりますが、大手の結婚相談所では男性側の最低年収を400万円程度に設定しているところが多く、低年収の場合は結婚相談所を利用することことすら難しくなります。

 近年、非正規雇用率が上昇し、定着傾向(36%〜38%)にあります。学生のアルバイト、65歳以上の高齢者を含んだ統計ではありますが、2017年の非正規雇用率は37%。15年前(29%)と比べて明らかに増加しています。

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収入と結婚率とは
相関関係にある。
こういうデータはいくつか見てきました。
下表は総務省が発表しているデータです。
年収と未婚率との相関関係は歴然としています。



若者の年収を上げること!
これは喫緊の課題です。









背景4:結婚形態の多様化


 「事実婚」という実態が広がっています。事実婚とは「婚姻の届け出はしていないが、入籍している夫婦と同様に共同生活を送る結婚形態」です。同棲とか内縁関係とか、似た内容の言葉もあります。親としては複雑な気持ちだと思いますが、助走期間、お試し期間として、それなりの意味があるという見方もあります。

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フランスでは
結婚をしなくてもただ単にカップルでいるという
「Concubinage(コンクビナージュ)」が
法律で認められています。
これは日本でいう
「内縁」や「同棲」と同じような意味です。

もう一つ
「PACS(パックス)」というのもあります。
日本語にすると民事連帯契約となります。
簡単に言うと
いざ男女が別れる際に
正式な離婚よりは
よっぽど簡単に終わらせることができる
「内縁以上、結婚未満」契約です。

フランスでは未婚率の急激な上昇の後
こういうスタイルが広がりました。
案外
日本もその後追いをするかも知れません。








打開策を考えましょう


  意見を図式でまとめる
   (1) 4分 自分の考えを図式化する。文章で書かない。
   (2) 2分 2人ペア(交互にプレゼンし合う) 40秒×2
   (3) 5分 時間の残される限り、一人ずつ「全体プレゼン」

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これぞ
「総合的な学習の時間」で
求められている学力です。
身の回りに存在する
さまざまな事象に関心を持ち
自分なりの打開策を考える。
大事にしたい学習です。



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