背景1:女性の社会進出
女性が働きやすい環境が整ってきたことが、未婚率の上昇にもつながっていると思われます。仕事にやりがいを感じ、仕事を続けていきたいと考える女性が当たり前の社会になっています。
多くの女性にとって、結婚するタイミングがない、結婚する暇がないというのが現実ではないでしょうか。これが未婚率が上がってきている理由の一つと言えます。
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女性の社会進出は 男女平等の原則からも 社会の成熟という視点からも 喜ばしいことです。 ただ このことが背景となって 結婚したいが なかなかする気になれない なかなか出来ない という現実があるなら これは打開策を講じないといけません。
背景2:独身主義者の増加
男性は「結婚すると自由がなくなる」「給料も自由に使えない」など、結婚に対してマイナスの印象を持ち始めているという調査結果もあります。「結婚がすべてではない」「結婚しなくても困らない」「独身のまま方が自由で幸せではないか」と考え、結婚に対して足踏みをし、それが未婚率の上昇につながっていると思われます。
女性も同じです。「結婚したら家事と仕事の両立がたいへん」「子供や旦那のために生きる毎日になる」「家のために自分の全てを費やすことになる」など、マイナスのイメージを持っている人が増えていると言われています。
ただ、女性には「子どもを産みたい」という意識も一方であると言われています。出産にはタイムリミットがあります。ある程度の若さが必要です。「高齢出産前の35歳までに子供を産みたい」「出産後は自由がなくなる」「だからぎりぎりまで独身でいたい」、……そんな思いが、一方ではあるような気がします。
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何事も得るものがあれば その一方で失うものもあります。 結婚(家庭を持つ)ということを 単にメリット・デメリットで考えてはいけません。 一度しかない人生です。 人として生まれて自然の摂理です。
結婚して家庭を持てば 一人暮らしと違った さまざまな苦楽が待っています。 しかし より豊かな人生を歩んでいけると 私は考えている一人です。
背景3:収入格差
結婚適齢期ともいわれる、20代後半の男女には大きな問題です。収入と結婚との因果関係については、さまざまな調査結果があります。
女性の場合は年収の高低に関わらず、一定の割合で交際・結婚をしています。
一方、男性の場合は年収300万円以上がひとつの大きなボーダーラインとなっています。300万円以上であれば、結婚率が30%程度になりますが、300万円未満の場合は結婚率が大きく減少します。
また、結婚率だけでなく、結婚以前の交際状況(恋人無し・交際経験なしが多い)も芳しくありません。男性の年齢にもよりますが、大手の結婚相談所では男性側の最低年収を400万円程度に設定しているところが多く、低年収の場合は結婚相談所を利用することことすら難しくなります。
近年、非正規雇用率が上昇し、定着傾向(36%〜38%)にあります。学生のアルバイト、65歳以上の高齢者を含んだ統計ではありますが、2017年の非正規雇用率は37%。15年前(29%)と比べて明らかに増加しています。
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収入と結婚率とは 相関関係にある。 こういうデータはいくつか見てきました。 下表は総務省が発表しているデータです。 年収と未婚率との相関関係は歴然としています。
若者の年収を上げること! これは喫緊の課題です。
背景4:結婚形態の多様化
「事実婚」という実態が広がっています。事実婚とは「婚姻の届け出はしていないが、入籍している夫婦と同様に共同生活を送る結婚形態」です。同棲とか内縁関係とか、似た内容の言葉もあります。親としては複雑な気持ちだと思いますが、助走期間、お試し期間として、それなりの意味があるという見方もあります。
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フランスでは 結婚をしなくてもただ単にカップルでいるという 「Concubinage(コンクビナージュ)」が 法律で認められています。 これは日本でいう 「内縁」や「同棲」と同じような意味です。
もう一つ 「PACS(パックス)」というのもあります。 日本語にすると民事連帯契約となります。 簡単に言うと いざ男女が別れる際に 正式な離婚よりは よっぽど簡単に終わらせることができる 「内縁以上、結婚未満」契約です。
フランスでは未婚率の急激な上昇の後 こういうスタイルが広がりました。 案外 日本もその後追いをするかも知れません。
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