短歌の作品 自分 . |
歳月をばたどた歩みて吾つひにこうれいしゃなれや雪降り積めり 集ひたる五十半ばの教え子の人生ドラマ語るを聴けり そうなんだおまえも耳鳴りお互いに年を重ねし同窓の会 今日もまた喪中ハガキを受け取りてしばし佇む郵便受けに さくら花咲きこぼれたる露天湯に手足伸ばせり職退きて 義貫ける先祖の砦賀田城の御城印生る秋の日清し この一手伸るか反るかの剣が峰決断促す湯沸かしの音 碁会所に八人集いてあぐらかきまわりの音は碁盤に消える 賀田城の早朝登山イベントに先祖の決意思い涙す 武者姿あまた集ひて瀬戸山の城址に立てり時空が歪む 五年ぶりバレーの部活指導せり筋肉もりもり汗ほとばしる 網掛けと水玉模様に包まれし草間の世界に現(うつつ)彷徨(さまよ)ふ マスク顔の一つとばしの保護者席アタック決まれば熱気が揺れる 愛犬と駆けりし後のサウナ浴汗したたれり毒もろともに 活用の広き「図式」を伝へんと授業進めん怒濤のごとく ひたひたと波打ち寄せる川岸をひたひた走るただひたすらに 今ここに確かにわれは生きてをり空一面の夕焼けの下 中押しの勝ちを読み切り打つ一手石を置く指ピシリとしなる ここに今われは確かに生きてをり露天に歪む夕日を浴びて 今ここに確かに吾は生きてをり夜のとばりが降り立ちて冬 重ねたるおのが齢に驚きぬ散る花の下ぢっと手を見る 露天湯の炭酸泉に浴すれば泡まとわりて雲に雲に漂ふ 露天湯の炭酸泉に浴すればぷつぷつ泡に包まれて快 かつて居し学生寮の前に立ちはるばる来ぬる吾をしぞ思ふ 青空に皐月幟のはためきて突如 電話が訃報伝へる 身体より次々湧きて出で来たる痰よ! 御前は誇れる戦士 蝉の声聞かざるままに長月を迎へんとすも鳴る耳のセミ 老眼のつひに来たれる我が身しあればメガネ越しにてページ開かむ
子ども等の一途に目澄ます瞳あび声いちだんと「図式」伝へむ 要約の授業なし終へ心地よき疲れ抱きて秋うらら 日常にふと忘れごとまたありて老ひの足音わが足元に 老ひゆくは避けて通れぬ人の世の吾にも迫る気配漂ふ 節々の痛むことあり見上ぐれば梅の老木すがやかに立つ 灼熱のサウナの部屋に入りたれば邪悪包みて汗したたれり 2024.07 ギター弾き童謡唱歌奏でればほっこり届く利用者の声 2024.10 きょうもまた授業なし終へ見上ぐれば秋雲高く我生きてあり 2024.10 きょうもまた怒濤の如く授業経れば秋雲高く我生きてあり 2024.10 授業終へて秋の風受け深呼吸きっと増えたぞ図式名人! 2024.10 授業終へ秋の日ざしに深呼吸また増やしたぞ! 図式名人 2024.10 授業終へるんるんるんと帰宅せばどさりと待てりワークシートが! 2024.12 この一手決断せまるその刹那熱き緑茶をひと口飲めり 2025.1 白黒の碁石に魂注ぎ込み打ち込む一手人生映す 2025.1 白と黒代わりばんこに打ちながら描く模様は絵画のごとし 2025.1 白黒の碁石が互いに競り合ひて描く模様ぞ絵画のごとし 2025.1 ガンガンと頭の中を叩きつつインフルエンザ猛り狂へり |