2024.12 冬の陽にわが影長く伸びゆきて七等身に見ゆるおかしさ
冬の陽ざしは、昼間でも斜めから照らします。ふと吾が影法師を見てみると、見事な七頭身! 実際にこのスタイルだったら人生、変わっていたかも? 頭身は「身長 ÷ 顔の縦幅 = 頭身」という計算で算出します。 例えば身長160cmで顔の縦幅が21cmの場合、160
÷ 21 = 7.6頭身となりモデル体型に近いと判定されます。
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2024.12 陽落つれば青き夕闇せまり来て冬の底冷え身にまとう我
2024.12 陽落つれば青き夕闇せまり来て赤名盆地に年の瀬迫る
12月21日(冬至)を過ぎて、日没時刻が一日ごとに1分ずつ遅くなってきています。それにしても、冬場の夕暮れは早い上に冷え込みが厳しい! 寒々とした夕暮れが、あっけなく夕闇に変わります。どうも好きになれない季節ではあります。
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2024.12 この一手決断せまるその刹那熱き緑茶をひと口飲めり
きょうは3ヶ月に一回開催してきている「飯南町囲碁大会」がありました。「大会」と言っても、会員はたったの8人です。昼食休憩を挟んで朝9時半から4時まで、周りの景色が消えるほどの熱戦が展開しました。本日の成績=5勝2敗、第3位なり。
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2024.12 暗闇に目輝かせカリカリと響くネズミの壁かじる音
先日来、夜中になると時折、カリカリガリガリ……かそけき音が響いてきます。家ネズミです。さっそく「ねずみ取りシート」を買ってきました。しかし敵も去る者、知恵比べが続いています。
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2024.12 日暮るれば重き空気に閉ざされて赤名盆地に年の瀬迫る
思い起こせば、あれやこれやあれもこれも脳裏を過ぎる、2024年も残りわずかとなりました。11月末に日没時刻(午後5時55分)が底を打って、今年の冬至(12/21)も過ぎ去りました。白い雪が舞う昨今ではありますが、日没を迎えると一気に赤名盆地は黒いベールに包まれて、暗闇に沈んでいきます。
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2024.12 はらはらと我が身は散りて腐葉土になりて次代へエール送らむ
日課の山中ランニングの道すがら、日に日におびただしい数の木の葉が散り敷いていきます。青々としていた木の葉は冷え込みに枯れ果て、役目を終えて地に命を横たえているのです。こんなとき、いつも『葉っぱのフレディ』を思い出します。死にて(枯れて)なお、役立とうとする?
その見事さ、美しさ。
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2024.12 年の瀬は朝から冷気垂れ込めて狭庭の隅に濡れ落ち葉積む
なかなか秋が来ないと思っていたら、ある日唐突にやってきて、やってきたと思ったらあっけなく去っていきました。12月ともなると、奈落の底に落ちていくように夕暮れから夕闇へと変わっていきます。この短歌は、早朝の景色を詠んだものです。
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2024.11 また一人若き教え子命終へイチョウ散るなり寺院の屋根に
11月23日、52歳の教え子(3年間担任)の葬儀に参列しました。これで、頓原中時代に担任した教え子が3人も天に召されました。今回亡くなった52歳は人柄もよく、仕事も出来る人材として今後の更なる活躍を期待されていました。丸裸になろうとしているお寺のイチョウの樹から、読経の声に促されるように、時折はらりと枯れ葉が舞い落ちていました。
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2024.10 煙り立ち朝からわくわく胸騒ぎお宮の幟はためきてをり
2024.10 なんとなく朝から胸のざわめきてお宮の幟はためきてをり
2024.10 ドントトト秋の陽ざしに包まれて賑わう神社に「はやしこ」の音

10月25日(金)、好天に恵まれて氏神様「金屋子神社」の例大祭(秋祭り)がありました。「はやしこ」に参加する子どもの数が、20年〜30年前は50人以上でしたが、今年はたったの15人ほど(大人を含めると約30人)……寂しい秋祭りになりました。でも、中止されていたコロナ禍の秋祭りは、閑古鳥が鳴く寂しい祭りでしたので、
はやしこも露店も見えぬ秋祭りにコロナ無縁の苅田のカラス
……まだ今年はよかった! と、率直な感想です。
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2024.10 きょうもまた授業なし終へ見上ぐれば秋雲高く我生きてあり
2024.10 きょうもまた怒濤の如く授業経れば秋雲高く我生きてあり
2024.10 授業終へて秋の風受け深呼吸きっと増えたぞ図式名人!
2024.10 授業終へ秋の日ざしに深呼吸また増やしたぞ! 図式名人
2024.10 授業終へるんるんるんと帰宅せばどさりと待てりワークシートが!
9月第一週から、綱渡りのような授業が続く今日このごろ。授業のワークシート点検は、その日のうちに済まさねば、翌日の授業が待っています。夜なべ仕事で3時間はかかります。はっきり言ってヒッシです! ……が、これは私にとって利害打算ではありません。「人生意気に感ず」そのものです。ありがたいことに、未だに授業は「やり甲斐」を感じている私です。
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2024.10 山道にアケビが一つほほばれば幼き香り胸にわきくる
ランニングの途中、道ばたにアケビが一個、コロンと落ちていました。口が1ミリくらい開いていますが、落ちたてのようです。さっそく皮を開いてしゃぶりつきました。やぁ〜〜〜、なんという懐かしい雰囲気! 子どもの頃、アケビを求めて山に分け入った頃の幻が、ほんわりと脳裏を駆けめぐりました。
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2024.10 目を細め小雨の中をひた走る行く手にカラスきょとんと立てり
連日の授業で日課のランニングがままならない昨今、「きょう走らねばいつ走る!」と我が身を駆り立てて小雨降るなかを走りました。エサでも探しているのか刈田でカラスが雨の中、立ち止まってこちらを伺っていました。……「ヘンナヒト!」とでも思っているのでしょうか?
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2024.10 はらはらと散りたる枯れ葉秋風に舞い上げられて転ばされをり
2024.10 とうめいな空にいつしか雲生まれ涼しげに舞う刈田のトンボ
2024.10 いつしかに秋の景色となりゆきてイチジク庭にカサコソ鳴れり
残暑があまりに長すぎて「いい加減にしてくれ!」と思いつつ、ふとあちこち眺むれば、秋はそこここにちゃぁんとやってきているようです。それどころか、きのう今日は一気に初冬を迎えたような冷え込みです。我が家はストーブが登場しました。
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2024.09 ようやっと残暑居すわる高原に秋の空気の動き始める
2024.09 いい加減残暑居すわる高原に秋の空気が動き始める
2024.09 透明な秋の空気が駆け上り青い海原天に広がる
2024.09 ひんやりと空から秋が舞ひ降りて布団干場の向日葵の花
日なたが恐い、すこぶる酷暑の残暑がやっと終わりを告げました。朝日の輝く玄関を出ると、ひんやりとした風が体を吹き抜けていきました。やっと秋がやってきてくれたと、ふと喜びが湧いてきました。
4首目は、まずは上の句が浮かんできたのですが下の句が浮かびません。数日間寝かしているうち、北原白秋の短歌が頭に浮かんできて、我が家の光景と重ねて下の句を作りました。
☆ いつしかに春の名残となりにけり昆布干し場のたんぽぽの花(白秋)
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2024.09 唐突に秋がストンと落ちてきてつるべ落としになりて暮れゆく
2024.09 唐突に秋がストンと落ちてきてつるべ落としに夕暮れていく
「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、今年の残暑は異常です。朝夕は過ごしやすくなったとはいえ、先週までの日中は(松江や出雲で)33℃〜34℃でした。が、先日は突然、秋がやってきました。一気に夏から秋にタイムスリップしたような気温の変化に、こんな短歌が出来ました。
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2024.09 森の道に引かかるやうにセミの声響きて木の葉秋風に落つ
例によって、ランニングが木陰涼しき森の道(林道)に入ると直ぐに、辺りからセミの鳴き声が聞こえ始めました。すると一匹、命を終えようとしているのでしょうか? ジッ・ジッ・ジッ・ジッ……と息苦しげな鳴き声が響いてきました。季節は着実に秋に向かって動いています。
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2024.08 くるくると舞い、跳び上がりひれ伏して空気震わす神楽の鬼面
2024.08 くるくると舞うや踊るや子どもらの神楽はじける晩夏の夜に

過日、飯南高校神楽同好会が全国神楽甲子園で、2年連続最優秀賞「日藝選賞」を受賞、その報告会も兼ねて「神楽舞in飯南」が開催されました。飯南高校神楽団の他に4団体(1団体は子ども神楽)が競演しました。感動的な笛や太鼓の伴奏に合わせて、迫力ある舞いが会場いっぱいに展開し、大きな感動を巻き起こしました。
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2024.08 降り注ぐライムライトに照らされて老ひし男のとばり降りなむ
ミュージカル『ライムライト』の続きです。歌唱に感動したことを盛り込む短歌は、あきらめました。もう一つ、ストーリーの主題に関わることでズン! と来たので、これを短歌にしました。「とばり」は「帳=緞帳(どんちょう)」のことです。「夜のとばりが降りる」などと使われています。私にとって、身につまされる内容でした……。
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2024.08 魂を吸い取るやうな歌声に涙あふれてこぼれてゐたり
小旅行の一企画として、チャールズ・チャップリンの音楽劇『ライムライト』を観ました。身につまされる内容もさることながら、テリー役の女性の歌声に心が震えました。この体験を短歌にしようと試みますが「音楽劇(ミュージカル)」という内容を57577に盛り込めなくて、悪戦苦闘(挫折)です……。
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音楽劇「ライムライト」(舞台映像:ユーチューブ)
2024.08 8/17〜21、東京・箱根にリフレッシュ旅に出かけました。
機上ゐて富士の雄姿の迫りきてやがてゆっくり遠ざかりゆく

登山バスぐいぐい登る急坂に迫りて浮かぶ箱根駅伝
芦ノ湖を滑るやうに突き進む海賊船のいよよ頼もし
芦ノ湖を滑りて走る海賊の船晴れやかに晩夏を映す
空を飛ぶヒトもピカソの造れるかあちにもこちにも彫刻の森
ほほばれば築地市場の握り寿司のとろりとろけて旨み広がる
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※ 出雲空港〜羽田空港の機内から、まぁずいぶん長く(名古屋付近〜羽田空港)なんとまぁ!
富士山の姿をずっと拝見することが出来ました。
※ 箱根駅伝の凄まじい上り坂を体験しながら「箱根の峠道」をバスで移動しました。
※ 芦ノ湖の「海賊船」の船旅は残念、富士山は拝めませんでした。が、船旅はなかなか快適な異空間。ずっとこのまま時空を旅していたいと思うほどでした。
※ 彫刻の森美術館は、頭がおかしくなりそうなほどに、ピカソの絵や彫像(屋外)で満たされていました。空高く飛んでいるニンゲンの彫像(後で調べるとカール ミレス作でした⇒短歌はそのままにします)もあり、度肝を抜かれました!
※ 築地と言えば、中3の2〜3学期に通った中学校(廃校)があった懐かしの場所です。しかし、築地場外市場へ出かけたのは初めてです。約五千円で食した、にぎり寿司のとろけるような美味しさに生きている仕合わせを感じました。
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2024.08 煌々と成人式の若人の面はゆいばかり光放てり
8月15日は町内の成人式でした。赤来中学校出身の若者は要約学習の授業で関わるとともに、スポ小バレーの教え子もいます。面影は残してはいるものの一人一人、目映いばかりの成人ぶりに驚きを禁じ得ません。恐れ入りました!
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2024.08 久々の同窓会 でも一瞬で時空を越へて笑顔飛び交う
2024.08 還暦を迎えし教え子見つめればひとりひとりに年輪光る!
2024.08 還暦の教え子達のそれぞれが小説のごとドラマ背負へり
2024.08 教え子の同窓会でそれぞれの人生ドラマに一喜一憂
5年ごとに開催してきていた同窓会、コロナのために9年ぶりの開催(於:広島)です。阿須那中学校時代の2年生〜3年生と担任した15人、参加は10人ではありましたが、全員ぶじに過ごしていることを確認出来ました。まさに時空を越えて親交を深め合いました。ただ60歳〜61歳の齢。難病に冒されたり、思いがけない不幸に出合ったり、……。退職後を悠々自適に暮らしていたり、再雇用でがんばっていたり、農業(米作り)に励んでいたり、親御さんの介護に関わっていたり、相次いで両親を見送ったり、……。まさに小説かドラマのような人生を歩んでいる一人一人です。
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2024.08 片言で話しかけたる幼子の吾の手引き寄せワンワンそそる
去年1月に生まれた孫(娘の長男)も、あれよあれよと1歳7ヶ月となりました。ほぼ毎月、広島から帰省するたび、ぐんぐんぐんと成長の階段を上っている様を見せてくれます。今回の帰省時に、一番興味を持ったのは「愛犬」です。幾度となく犬の所へ連れて行かされました。そして、間近で眺めたり舐められたり……。驚いたり喜んだりする様子・表情がたまらなく可愛い幼子でした。
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2024.08 セミの声をまとひて走る山道にリンリンリンとクマ鈴響く
ランニングコースの林道は、有難いことに真夏の真っ昼間でも木陰を作り、涼風が吹き抜けています。特に下り坂を走るときは、腰にぶら下げた「クマ鈴」がリズミカルに鳴り響きます。
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2024.07 仕事終え基地に戻れる掃除ロボ!わくいとしさにつひなでなです
先日、娘が「ロボット掃除機」なるものを買ってくれました。当初バカにしていましたが、とんでもありません。人工知能を登載しているんでしょうね、自分で間取りを探り出し、自分で手順(走行順)を考え、自動で掃除を始めます。それも障害物を避けながら、ふき掃除と掃き掃除、同時に! 真夜中にセットしておけば、勝手にその時刻から仕事を始めます。電池が少なくなれば、自分で充電するために「基地」に戻ってきます。町外の遠隔地からでも、タブレットで命令を出すことも出来ます。仕事の様子もつぶさに分かります。 ……仕事ぶりを眺めていると、あまりの甲斐甲斐しさに愛おしくて、抱きしめたくなりました。
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2024.07 ギター弾き童謡唱歌奏でればほっこり届く利用者の声
昨年末から、赤来地域の高齢者施設4箇所に、ギターを抱えて訪問しています。この日は特別養護老人ホームで(夏の曲を中心に)全20曲、約25分間の訪問でした。大きな声ではありませんが、職員の皆さんに励まされながらほのぼのと歌ってくださいました。
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2023.07 炎熱を和らげ冷ます山道は葉陰も涼しゆるり走ろう
台風3号の間接的な影響か、とにもかくにもむんむん暑い炎暑の今日このごろ。めげずに愛犬とランニングに飛び出す私です。有難いことに、山道にさしかかると森木立が木陰を作って迎えてくれています。まぁ無理をせずに力を抜いて走ることに徹しています。
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2024.07 たたなづく夕雲空をあかく染めサウナのごときひと日暮れゆく
土砂降りから始まった今年の梅雨入りでしたが、もやもやもやと梅雨は過ぎ7月21日、あっけなく「梅雨明け宣言」を聞きました。梅雨明け後の暑さは、赤来高原でさえ「33℃」を記録! まさにサウナのような炎暑です。夕焼けの色は、日中の暑さの象徴のように見えました。
※ たたなづく= 幾重にも重なっている
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2024.07 花びらは仕舞い色なり夕暮れて空を見つめて黙してゐたり
池のほとりに咲いて、心を和ませてくれていた紫陽花の花も、いよいよ寿命の時を迎えたようです。夕暮れていく空を眺めながら、どんなコトを考えているのでしょうか?
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2024.07 短か夜の浅き眠りにたゆたひて夢とうつつを行きつ戻りつ
夏至を過ぎたとはいえ、夜明けが早い(4時半頃)今日このごろです。ふと目覚めると未だ5時前後、再び眠りにつきますが、深い眠りは訪れてくれないようで、とりとめもない夢を見ながら起床時刻(6時半)迎える今日このごろです。
※ たゆたいて=ゆらゆら動いて定まらないこと
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2024.07 裏山の陰の庭先まで伸びて早苗田沿いに日の暮れてゆく
南向きの我が家は、山を背負っています。午後3時頃には庭先に日陰が延びて、時間の経過と共に田んぼにその陰を伸ばしていきます。
※ 「陰」は物体が光を遮ってできた隠れていて光が当たらない暗い領域を指し、「影」は物体が光源からの光を遮ってできる暗い形状を指します。
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2024.06 のっけから梅雨の末期のごとく荒れ小枝散り敷く山路に風鳴る
存在感を示すように今年の梅雨は、まずはザンザン降りからやってきました。雨上がりの山道を走っていると、雨風にたたかれた小枝があっちにもこっちにも散らばり落ちていました。
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2024.06 里山に梅雨空すっぽり被さりて山の峯々統べて雨降る
梅雨空は景色に覆い被さって、どんよりとした風景を醸し出します。この界隈の景色は、すっぽりと梅雨空に支配されてしまっています……。
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2023.06 紫陽花を活けてチョロチョロ注ぐ水壺に響きて梅雨の音立つ
例年より遅いと報じる本格的な「梅雨」がやってきました。梅雨に季節は紫陽花が似合います。さっそく玄関の花瓶(壺型)に紫陽花を飾って、季節感を味わうことにしました。
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2024.06 誰にでもいつか越せない夏が来る ぢっと見つめるははそはの母
夜7時過ぎに突然、母が入所している「特老」から電話があり、すぐ病院に来るようにとの指示を受けて駆けつけました。発熱(38・3度)があり緊急入院とのこと。腎盂炎か、気管支炎の可能性あり。入院して引き続き状況をみたり、検査をしたりするとともに当面、抗生剤治療をするとのこと。痰が絡んだような、ゼーゼー荒い息をしていました。臓器が老化したり、血管がそうとう細くなったりしているので、病状が急変する可能性があると、恐ろしいことも宣告されました……。
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2024.06 音もなく還らぬ「とき」は過ぎゆきて今 倉敷の人混みに立つ
2024.06 白壁の蔵屋敷沿いに柳揺れレトロな店に夕陽残りて
明治時代の風情を残す「アイビースクエア」に泊を取り、数年ぶりに美観地区を訪れました。この一角は、一種独特の雰囲気が漂っています。しっとりとした風情の町並みの中に溶け込み、レトロな民芸品店など、のんびりと見て歩きました。
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2024.05 音の無き戦闘機のごと早苗田をツィースィーとツバクラメ飛ぶ
2024.05 早苗田にスズメひらひら舞い降りてツーと横切りツバクラメ飛ぶ
はるばる五千キロ彼方の南国から、今年もやってきましたツバメたち。さっそく巣作り場所の選定か、玄関や車庫を開けると待ってましたと、つがいのツバメが飛び込んできて賑やかに会話を交わします。辺りを飛び交う姿は、まさにステルス戦闘機! ツーーーーと流れるように飛んだかと思うと、一気に急上昇。またスゥーーーーッと地面すれすれ飛行。スズメの飛び方とはぜんぜん違います。
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2024.05 原油高物価上昇続くなり午後の木洩れ日路上に動く
1985年G5の大蔵大臣と中央銀行総裁が合意した為替レート「プラザ合意」(アメリカの貿易赤字削減のため、為替を円高・ドル安に誘導)により、1ドル=240円が一気に1ドル=120円に! 国内は大騒ぎとなりました。
今回は逆に、1ドル=110円から一気に1ドル=155円! 海外旅行は110万円から155万円に、石油・小麦価格なども急上昇! 年金生活者にとっても大問題。なすすべもない一国民の私です。
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2024.05 早苗田は涼風に揺れツバメ飛ぶ戦禍の畑のいかばかりかは
ウクライナ戦争は、全く先の見えない泥沼に陥っています。ガザ地区でも戦争と関係がない一般民衆が、想像を絶する悲惨な目に遭っています。人間の歴史は、殺しあいの歴史です。愚かなるかなニンゲン……。我が家の周辺には五月連休を堺に、一気に早苗田の風景に替わりました。それを察知していたかのように、急にツバメが出現してスイーッスイーッと飛び交っています。
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2024.04 ゆうらりと池のよどみに垂れ下がる蔓草の下まごい憩へる
2024.04 風凪ぎて光とどまるその刹那 尾ひれ煽りて隠れる真鯉
我が家の池に、たった一匹ゆうゆうと泳ぐ年老いた真鯉。眺めているとさまざまな姿を見せてくれます。その周辺をどこから紛れ込んだか、名も知らぬ小魚(5p〜10センチ)が5匹、縦横無尽に遊び戯れています。
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2024.04 葉桜の木洩れ日風に乱されて緑の光みどりの香り
せっかく満開になった桜も、あれよあれよと「葉桜」に衣替えして、周りの緑にとけ込んでしまいました。ただ、葉桜は葉桜なりに存在感を振りまいている今日このごろです。
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2024.04 立ち止まりまた振り返り見るサクラあと幾度か君に出会はむ
2024.04 土手沿ひにさくらさくらと咲き乱れ道行く人を立ち止まらせる
2024.04 土手桜どうだとばかり胸を張りふところ広げそっくり返る
4月8日(月)、日本さくら名所100選「斐伊川堤防桜並木」に出かけました。ちらほら花びらが舞い落ちる中、花のトンネルを作って今を盛りに咲き乱れていました。この日は世の中はお仕事の日、人出は少なく、ゆったりのんびりぶらぶらと桜の雰囲気を味わうことが出来ました。
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2024.04 わいわいとまるで相談したやうに辺りの桜いっせいに咲く
2024.04 道沿いに龍のごとくに咲き登るさくらさくらと木霊をのこし
4月7日(日)、国道54号沿いに車を走らせ、出雲に向かいました。例年は出雲と赤来高原では桜の開花が7日〜10日は違うのに、今年は同じ時期に満開を迎えました。毎年不思議に思うのは、同じ地域の桜は相談したように一斉に満開になることです。
いろんな桜の姿を見ながら下っていきました。掛合あたりで、麓からくねくねと山頂に向かって桜並木が見えました。たぶん道沿いの桜だと思われます。上り龍を連想しました。
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2024.04 箱罠に閉じ込められしイノシシの突進重ね血の鼻向ける
ランニングコースにイノシシの罠が仕掛けてあります。初めて檻の中に閉じ込められたイノシシを目撃しました。何とか脱出しようと四方の壁に突進したのでしょう、鼻の周りが血だらけになっていました。哀れイノシイと言いたいところですが、農家にとっては憎っくき相手です。実際、(作ってもらっている)我が家の田んぼもひどい目に遭いました。
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2024.04 青空に卯月ついたち包まれて朝の空気の動き始める
新年度が始まりました。と言っても、退職して13年も経過している私にとっては、そんなに歴史的出来事ではありません。……が、ふと現役時代の新年度(新学期)の空気感を思い出して条件反射、身を正していた私です。
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2024.03 鯉の目のちらとこちらを一瞥し凍れる水にぢっと動かず
2024.03 静まれる池の水面を見てをれば枯れ葉一葉落ちて漂ふ
3月が終わろうとしています。今年の3月は「三寒四温」というより「冷たい雨の五寒二温」。桜前線予想も、どんどん先送りという寒い日の多い年でした。池では、たった一匹となった亡父の真鯉が日がな一日、水底でひたすら静まりかえっています。ゆるりと動くのは、餌を投げてやった時、ふと目が合ってドキッとすることがあります。
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2023.03 物憂げに雲垂れ下がり綿雪のしとど降りたる彼岸中日
桜の便りが届こうとしているきょうこの頃、とんでもない積雪がありました。彼岸の中日(春分の日)、広島から我が家に向けて車を走らせました。前日、娘の娘(孫)の6歳の誕生祝いに出かけた帰り道、高速道路は轍(わだち)の積雪が暫く続きました。この日の様子を陳腐な短歌に残しました。
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2024.03 愛犬も大きく伸びして眼を細む 楚々たる春の光の中に
日頃は屋内で過ごしている愛犬ですが、この日は屋外で穏やかな春の陽光を浴びて過ごしました。
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2023.03 見上ぐれば楚々たる春の光の中に日輪 でんと天空統べる
3月に入ってから曇天続きでしたが、きょう(3/7)は神棚にお供えしたいほどの快晴。空を見上げると、この季節特有の雰囲気が空いっぱいに広がっています。ふと「春の朝」ロバアト・ブラウニング(堀口大学:訳)という詩を思い出しました。
時は春、
日は朝、
朝は七時、
片岡に露みちて、
揚雲雀なのりいで、
蝸牛枝に這ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。
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※ 楚々たる=清らかで美しい 日輪=太陽 統べる=支配する
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2024.03 カメムシの翅音するどく飛び回り静けき部屋は戦場と化す
今年は長期予報の通り、見事な暖冬のまま春を迎えようとしています。ただ、なぜか2月頃からカメムシが連日の如く部屋に出現しては飛び回ります。多い日には3匹〜4匹も片づけさせられます。しかし片づけると言っても、片づけ損ねると猛烈な匂いが部屋に充満します。ガムテープ片手に、幾度戦いを挑んできたことか!
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2024.03 灼熱のサウナの部屋に入りたれば邪悪包みて汗したたれり
ランニング ⇒ 温泉(サウナ)は退職後から、私の日課の一つとなっています。飯南町内には温泉が3か所ありますが、サウナがあるのは2か所(@琴引山荘
& A加田の湯)。基本的に@(毎週水曜日が定休日)に通っています。入り方は、温泉8分⇒サウナ12分⇒温泉8分⇒サウナ12分⇒温泉8分。水分補給をしながら入っても、事後は体重が1Kg以上減ります。
温泉もサウナも入っていると次第に苦しくなってきます。灼熱地獄というものがあれば、きっとこういう責め苦です。それだけに、事後の「水風呂」がまさに天国! 温泉をあとにする頃は、体内の(心も含めて)毒が一気に放出されたような、実に爽快な気分になります。
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2024.2 おお孫よ!ひと月前のはいはいが立てり歩めり我がふところへ
2024.2 とてぽてと危うい歩み見せながら顔中笑顔で寄り来たる孫
「這えば立て立てば歩めの親心」という言葉がありますが、一ヶ月ぶりに再開した孫が大変身! つかまり立ちが精いっぱいだったのに、立ち上がるどころか、左右に倒れそうになりながらも歩くではありませんか……じいばあの喜ぶまいことか!
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2024.2 日常にふと忘れごとまたありて老ひの足音わが足元に
2024.2 老ひゆくは避けて通れぬ人の世の吾にも迫る危機の漂ふ
2024.2 節々の痛むことあり見上ぐれば梅の老木すがやかに立つ
戦争があったとはいえ、わずか70年前頃(終戦直後)、男の平均寿命は51歳でした。実際、子供心に50歳を越した大人は、大人というより「お年寄り」という印象でした。今や男の平均寿命は81歳。 ……それにしても、ふと足元を見れば私も73歳、立派な老人(高齢者)です。悔やんでいても仕方ありません。この際、梅の老木にあやかって前を見据え、すがやかに生きていこうではありませんか。
◎ 清やか(古語)=清らか、さっぱりとしている、清々しい。
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2024.2 一面に霜降りたれど春立てる霞の空に光あまねし
2月13日早朝の景色は感動でした。カーテンを開けると、見渡す限りの白化粧。まさに「無垢な世界」でした。しかし少し日が昇ると辺り一面、早春の光に満ち満ちてきました。冬と春とが仲良く入り混じったような朝の風情でした。
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2024.2 春立てば脳裏を過ぎるあのメロディ思えばいと疾しこの年月……
あれよあれよと2月中旬を迎え、卒業式の案内が届く頃となりました。卒業式と言えば定番の卒業ソングは「仰げば尊し」でした。この曲は「日本の歌百選」にも選ばれている名曲です。それがいつしか(平成年代〜)歌われなくなりました。「感謝の強要」「立身出世の賛美」などが理由のようです。現役時代最後の卒業式で復活「仰げば尊し」を提案しましたが、あえなく実現に至りませんでした……。古い時代の私です、今でも「仰げば尊し」を愛してやみません。歌詞の関係で、下の句が破格(86)です。
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2024.2 山道に貼り付く落ち葉踏みつけて走るそばから春立ち上がる
2024.2 耳を切る風冷たくもそこここに湧き上がりくる春の足音
暖冬の冬もいよいよ終わりを告げようとしています。山道を走っているとき、冷たい風が耳を切り裂いていくように感じるときがありますが、左右前後にそこはかとなく春の兆しを感じる今日このごろです。
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2024.1 腰骨を立てて座れる園児らの声高らかに古典読みたり
2024.1 腰骨を立てて座れる園児らの瞳輝き漢字読みたり
2024.1 次々と繰り出す漢字テンポよく読みたる園児ら腰骨の立つ
2024.1 朗々と音読したる園児らの声高らかに未来拓かむ
2024.1 朗々と音読したる園児らの腰骨立てて眼に力あり
先日(1/22〜23)、招かれて沖縄のK幼稚園に出かけました。ここは「ヨコミネ式幼児教育」「石式漢字教育」を果敢に取り入れ、小学校入学までに「ひらがな」「カタカナ」の読み書きはむろんのこと、小学校で習う漢字の多くが読めるようになったり、四則計算までも身に着けたりしています。その前提として、腰骨を立て姿勢を正して学習したり、自学自習が出来たりと、驚くべき成長ぶりです。授業を拝見しました。
江戸時代の寺子屋、藩校は、4歳からでした。実際、幼児の吸収力は凄まじいものがあります。園長先生の考え方の根底には、沖縄の歩んできた不幸な歴史と現実打破! があります。沖縄をリードする人材を育て、沖縄の未来を切り拓くんだ! という気概があふれています。おん年83歳の女性、意気軒昂です!
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2024.1 のど渇き声枯れたれど読み聞かせしたる周りにひしめく孫ら
2024.1 口渇き声かすれたる読み聞かせ『銭天堂』に孫らベタ惚れ
年末年始、孫4人を相手に、これでもかと言うほど読み聞かせをしました。特に読んだのは『銭天堂』。挿絵がほぼ無く(一話に2〜3程度)、一話読み切るのに20分〜30分かかります。読み終えると、どどどっと疲れが出ます。一日に3話は読んでやりました。いい呆け防止になったと思います。
なお、上の短歌「のど渇き……」は、第3句と第4句とが「句またがり」です。
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“こどもの本”総選挙1位『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』
2024.1 しばらくはためらふごとく雪舞ひて吹雪く夕べとなりて暮れゆく
暖冬と予報が出てはいましたが、さすがに雪国です。降らないとか積もらないとかは、まず考えられません。この日は暮れ方にかけて、はらはらと桜舞う如くにぼたん雪が天から降りてきていました。が、そのうちに夕暮れと争うように景色を隠し始めた降雪です。翌朝は10センチ〜15センチの積雪でした。
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2024.1 新春の光の中をひた走る愛犬親しく視線を交わす
愛犬(ラブラドールレトリバー:黒:メス)は、今年の3月で12歳になります。この犬種の平均寿命は10歳〜12歳。12歳は人間で言うと89歳とされています。大型犬ではありますが、人なつこく賢く従順な愛すべきパートナーです。日課の山中ランニング(往復約5Km)はリードを外しても、ずっと主人に従って走ってくれていました。が、昨年夏(折り返し点までが苦しい?)トラブルが発生、以後は中途で待たせるのが習慣化しました。一緒に走っているとき、ちらちらと視線を送ってくるのがいじらしい愛犬です。
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2024.1 玄関にあふれんばかりの靴並びわが家の正月いま盛りなり

年末年始、わが子の家族が帰省して、賑やかな年越しです。その上、1月2日には娘の友達親子5人も加わって、玄関には13人分の履き物が並び、大騒ぎの一日となりました。昭和時代にはこんな光景があったような、懐かしい気持になりました。
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2024.1 あらたまの光きらめき幼子のはじける声が庭に飛び交ふ
2024.1 あらたまの光きらめくその中を幼子達の声こだまする
1月2日の赤来高原は、正月としては珍しくもきらびやかな太陽光線がが降り注ぎ、眩しくきらめいていました。あまりの温かさに、幼子6人が庭に繰り出して大騒ぎ! しばらくは、昭和時代を彷彿とさせられるような懐かしい光景が展開していました。
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