心はピンク色の画用紙
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2022.3.13


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先日
飯南町社会福祉協議会の窓口で
高校生世代「人権の詩」優秀作品集
というパンフレットが目にとまりました。
ご自由にお取りくださいと書いてあったので
一冊いただいて帰って
ゆっくりと読ませてもらいました。
その中から4編を取り上げて
コメントすることにしました。





人を見る景色


私の見る景色と他の人が見る景色とは
きっと違っている。
互いに違う景色を見ていながら過ごしている
だから
自分の思ったことばかり押しつけたら
すれ違ってしまう

以下、省略。

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中原菜南子 さん


 立場が違えば、視点も違います。

 以前、「エゴグラム性格診断」をしてもらいました。そのうち、総合診断では次のような指摘をもらっています。


 責任感と優れたリーダーシップ、面倒見のよさを兼ね備えているのがアナタです。「かくあるべき」という理想を持ち、堅実に物事に取り組むことができます。
 また、人に対しても優しく、思いやりを持って接することができるため、まさに「親の鏡」というタイプです。相手への言い方は荒いかもしれませんが、明確に分かりやすく指示する「アニキ肌」の強さと優しさがあるため、アナタを頼る人は多いはずです。
 もし注意点を挙げるとすれば、意見の「押し付け」と感じる人が多いかもしれません。

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 何だか的を射た診断ではないかと、思い当たる節があります。以後は、座右の銘として手元に残して時々反省材料にしています。特に「意見の押しつけ」です。気を付けていても、確かに自覚することがあります。いつも、事後に気が付きます。

 人は十人十色、百人百葉です。立場が違えば、考え方(見解)も違います。どれが正しいと判定出来ないことが、ままあります。視点を変えれば、どの意見にも言い分があります。要注意です。

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言葉


心はピンク色の一枚の画用紙だ
口は筆
嬉しい言葉は白い絵の具
傷つく言葉は黒い絵の具

黒は白よりも強い
黒を塗った上に白を塗っても
完璧には消えない
でも白を塗った上に黒を塗ると
黒で染められてしまう

途中、省略。

傷つく言葉は嬉しい言葉よりも強い
どれだけ嬉しい言葉でも
少しの嫌な言葉で
心の画用紙は汚れてしまう

以下、省略。

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藤原聖成 さん


 何とも鋭い指摘です。色を使って、巧みに真実をえぐり出した詩です。高校生の作品ですから、驚きです。

 相手を傷つける言葉は、意外と本人は気づけていないことが多いと感じます。逆に、言われた方はズキンと来ています。かくいう私はどうなんでしょうか? 気を付けているつもりでも、何気なく人を傷つけている可能性があります。

 私自身が傷ついたことはないか? あります。ただ、そのことを相手に伝えることは、よほどのことがない限りありません。多くの人がそうだと思います。だから怖い。

 詩にあるとおり、口から出てしまった言葉は修正液で消せません。特に「売り言葉に買い言葉」には要注意です。

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友達


前略。

私には本当の友達がいる
思ったことはちゃんと言えるしケンカもする
私のよくないところはちゃんと怒ってくれるし
素の自分が出せるし安心する
そんな友達がいる私は幸せだ

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柿田真美 さん


 これが本当の、本来あるべき友達(人間関係)だと思います。

 ただ、いくら友達とは言っても、先ほどの指摘ではありませんが「人を傷つける言葉」は要注意です。「思ったこと(言いたいこと)」を言い合える関係は大事です。が、心の根底に「相手を尊重する気持ち」「相手に敬意を表する気持ち」がないと、心から心へ届きません。

 「甘え」「なれ合い」ではなく、「自分が出せるし安心する(くつろげる)関係」。 ……私自身、自戒も込めて、そこは大事にしたいと再認識させられました。

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素直な言葉


私に勝手に触らないで
私をそんな声で叱らないで
私の前で簡単に泣かないで
私に優しく接しないで

ごめんなさい全部嘘。
ごめんなさい素直じゃなくて。

頭を撫でてくれてありがとう。
それだけで無条件の愛を感じるから。
しわくちゃのあなたの手が好きです。

以下、省略。

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奥野李菜 さん


@ 私に勝手に触らないで
A 私をそんな声で叱らないで
B 私の前で簡単に泣かないで
C 私に優しく接しないで


 いずれも注意を要する言動だと思います。でも、これまでの教員生活の中で感得してきている、重要な視点ばかりです。

@ 昔、「肩たたき運動」というのがありました。この影響があったかどうかは不明ですが、子どもが頑張ったときなど、私はついつい頭を軽くポンポンする癖があります。でも、近年は女子児童・女子生徒については要注意です。セクハラの気持ちが(こちらには)全くなくても、相手によっては嫌な思いをしたり、傷ついたりすることもあります。

A 相手と人間関係・信頼関係が出来ていないときに「叱りとばす」と、時には修復不可能な決定的な溝が出来ます。伝家の宝刀は、よほど慎重にすべきです。
 特に感情的に叱ったり、「キレ」たりすることは言語道断、実に恥ずかしい醜態です。相手は子どもでも、一個の立派な人格を持った一人の人間です。そのことを忘れてはいけません。子どもは子どもなりに、立派に鋭く見抜いています。
 ただ、命・ケガに関わること、人権(いじめなど人を傷つける)に関わることは、毅然とした姿勢で全身全霊かけて「叱る」必要があると認識しています。
 なかなか上のとおりに私が実行出来ていないかも知れませんが、(今、保育所の子ども達に接する場合も)私の信念としていつも自分に言い聞かせ、気を付けています。

B 相手の立場に心からなれる人、親身になって関われる人は、時として自然に「涙」が浮かんだり流れたりします。これは理屈ではありません。 ……これによって、自分自身の人間レベルの自己診断が出来ます。

C Bと同じです。いかに相手の立場になれるか、これが人間レベルを測る上で大きな視点の一つだと認識しています。ただ、先ほどの「エゴグラム性格診断」ではありませんが、「人間関係」の視点から私は気を付けるべきことがあります。


 仲間想いで友人が困っていると、見過ごすことができないタイプです。堅実で正義感が強く、友情をとても大切に考えているため、周囲からの信頼も厚いでしょう。
 また、面倒見がとても良いので、友人グループの中でもリーダータイプの存在となっているでしょう。
 しかし、何事にも熱心過ぎて煙たがれる場面も。世話を焼き過ぎで「キミは保護者か」と言われないように気をつけましょう。

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