受け皿を増やして!
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2021.8.22


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指定感染症
2類⇒5類にはしない

 菅義偉首相は8月17日の記者会見で、新型コロナウイルスについて、感染症法に基づく分類を「2類相当」から引き下げることに慎重な考えを示した。

 2番目に危険度が高い「2類相当」は、知事が必要と認めれば患者を入院させることができる。ワクチン接種の普及で重症化率が下がっていることに伴い、インフルエンザと同じ「5類相当」に変えるよう求める声があるが、首相は「(コロナ患者の)隔離など感染対策、これを十分にする必要がある」と指摘した。

 記者会見に同席した政府分科会の尾身茂会長も「感染すると若い人でも重症化する。あるいは後遺症が長く続くのは明らかにインフルエンザとは違う。今の段階で変える必要はない。ワクチン接種が進んだら議論すべきだ」と述べた。

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毎日新聞 2021/08/18




          参考

  第1類 エボラ出血熱(致死率80%)など
  第2類 サーズ(11%)・マーズ(35%)など

  第3類 食中毒
  第4類 人畜共通感染症
  第5類 その他の感染症

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 コメントの部屋「新型コロナウイルスは死の病か?」(2021.3.17)で触れましたが、新型コロナは「指定感染症第2類」扱いとなって以降、まったく見直しがされていません。安倍首相が退任するとき「見直すべき」と申し送りをしたにもかかわらず、菅政権は据え置いたままです。

 第2類扱い(実際は、運用に当たっては「死の病」第1類扱いになっている)とすると、無症状者も隔離しないといけません。しかも、患者と病院(医師)との間に「保健所」が橋渡し役として関わっています。

 それでなくても、

 日本は、「人口当たりの病床数」が世界でもトップクラスです。一方、欧米に比べて「新型コロナウイルス感染者数」は圧倒的に少ない状況が続いています。

 にもかかわらず、国内の「医療が逼迫」しているとして、緊急事態宣言の連発です。受け皿(病床数)を増やさないで、国民に自粛強要を連呼し続けてきています。

 入れ可能な病院は、25%足らず!
 感染症第2類扱いにしている国は「日本」だけ!

 まして、一昨日の全国知事会議では「非常事態宣言は強制力がない。法律を変えてロックダウンにしてくれ!」と言い出す知事もいる始末です。

 新型コロナを第5類にしない理由を聞いていると、「今となっては変更するタイミングを失った」「これを容認すると、これまで主張してきたことを否定することになる」と受け取れます。

 今さら……ということでしょう。こうなったら「底なし沼」です。ワクチンが頼みの綱ですが、これが機能しないと延々と苦しみは続くことになります。

 日本人にとって、新型コロナはインフルエンザ並みということが、データからほぼ明らかになってきています。「ゼロコロナ」は夢物語です。インフルエンザと同じように、折り合いを付けながら付き合っていくしかないのです。

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要約抜粋
参考資料

 新型コロナウイルスの感染法上の運用について、厚生労働省が現在の2類相当から5類相当にダウングレードに着手していることが報じられ、ネット上では賛否両論が渦巻いている。

 新型コロナは現在、症状がない人も含めた入院勧告や就業制限、濃厚接触者や感染経路の調査などの対応が必要となる2類相当に分類されている。これを季節性インフルエンザ並みの5類にダウングレードすることが検討されていることが、9日に報じられた。

 2類から5類に下げることで、保健所を通さずに治療を受けられることで、発症から治療までのタイムラグがなくなる、コロナ対応をしている医療負担が大幅に減るなどのメリットがある。その一方で治療薬など治療法が確立していない現状では感染拡大を招く、と危惧する声も出ている。

 東京慈恵医大教授の大木隆生氏は10日、ツイッターで「『医師会・分科会が反対していた「コロナ2類相当→5類』が現状を追認する形でやっと変更に。Better late than neverとは言え遅すぎ。この変更で、開業医も発熱外来・在宅療養に参画し、保健所をスキップし、都にある2,000超(全国で22,000)のICUベッドが有効活用できるように」と見直しに対し歓迎の意向を示した。

 実業家の堀江貴文氏も「ほんと、やっとか、ですな」と待ちに待った動きに賛同した。

 また、10日放送のフジテレビ「バイキングMORE」に出演した兵庫県・長尾クリニックの医師・長尾和宏氏は「コロナ治療で一番問題なのは治療に入るまでのタイムラグがあること。5類にすれば保健所をスキップして早期治療ができる。明日にでも5類にしてほしい」と訴えた。

 一方、インターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁氏はツイッターで「何を考えているのか? それはコロナに対して短期中期長期の対策をきちんとうち、実行してきた国がする事! 90%の都民が医療を受けられない今、こんな事を提案するとは、どこまで暗愚を貫くつもりだ! 放置国家も甚だしい!」と現段階でダウングレードを検討している政府を批判。

 さらに前新潟県知事の米山隆一氏はツイッターで「2類から5類に変更すれば『入院勧告や感染者の隔離なども不要になり自治体や医療機関の負担は大幅に軽減される』との事ですが、都内は既に無症候者はフォローも入院もできない状態で現状追認にすぎない上、2週間の自宅待機要請もできなくなりほぼ何の効果もないと思います」と現段階でのダウングレードの検討に疑問の声をあげた。

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東京スポーツ 8/10(火)















ワクチンは光になれるのか?

 16日発表時点で国内のワクチン総接種回数は1億991万回。65歳以上の88%が2回接種を完了し、全体でも49%が少なくとも1回接種を終えるなど当初の見通しよりも前倒しで進んでいる。

 一方、栃木県では10日までにワクチン接種後に91人の感染が確認された。1回目接種が43人でうち2人が重症化した。2回接種していた48人には重症化例はなかったが、十分な免疫ができるとされる「2回接種後2週間」が経過していた人も複数いたという。

 同県さくら市では今月上旬に高齢者施設で29人のクラスター(感染者集団)が発生。うち70〜90代の少なくとも28人は2回接種を終えていた。県感染症対策課の担当者は「飲食時のマスク未着用もあった」と話す。

 菅原氏は「接種後も免疫の獲得の程度には個人差があり、抗体の持続期間も詳細は分かっていない。全体の接種率が上がるまで、マスクや手指の消毒、外出自粛などの生活を変えない意識が重要だ」と注意喚起した。

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夕刊フジ 8/17





 日本の感染者数の年齢構成を見ると、明らかに(ワクチンを接種した)高齢者が激減しています。効果は歴然としています。

 しかし、ワクチンを打っても感染する事例が、全国各地で報告され始めています。もう少し様子を見る必要がありますが、インフルエンザと同じで、新型コロナウイルスもどんどん突然変異をします。ワクチンを接種すれば、それをすり抜けるウイルスがどこかで出現し、生き残って仲間を増やしていきます。

 こうなったらイタチごっこ。ゼロコロナを目指す限り、ゴールは永遠に存在しません。

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第5類への変更が出来ないなら……


 感染症第2類にこだわるのなら、せめて「病床数(コロナ受け入れ病棟)」を新設してください。

 2019年末、中国武漢市では軍隊によって野戦病院のようなプレハブ病棟を、実に短期間のうちに建設、稼働を始めました。これによって、市中にあふれた感染者が次々収容され、治療が可能となりました。

 医師や看護師は、オリンピックで集まったようにボランティアでなく、給料大幅アップで迎え入れたら、必ず集まります。

 大阪府では、「大阪コロナ重症センター(新型コロナウイルス感染症重症患者専用施設)」の新設を目指して動き始めています。これを政府が主導して全国展開すべきだと思います。。

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