2025.8.25
コメントの部屋へもどる
『国宝』 を見に行きました
評判になっている映画『国宝』を観に行きました。 入場30分前にチケット売り場に行くと、何と長蛇の列が出来ていました。まぁ時間はたっぷりあるし、慌てることはないと高をくくって、のんびりと最後列に並びました。 券売機にたどり着いたのは、開始15分前。機械を操作して入場券を買おうと「座席表」を見ると、な・なんと座席で空いているのは2席だけ! むろんその2席は離れています。やむなく、慌ててその2席のボタンを押して、何とかかんとか座席を確保することが出来ました。 これまで映画鑑賞はたくさん回数をこなしていますが、満席の映画を観たのは初めてです。この『国宝』がいかに評判がいいか、再確認した出来事でした。 『国宝』は歌舞伎を扱った映画ですが、事前にネットで概要を調べてみると、次のように解説がありました。
映画『国宝』の魅力は、日本独特の伝統芸能である歌舞伎の世界を、映像美と俳優たちの高い演技力で堪能できる点です。 特に、天才的な才能を持ちながらも異端の境遇から歌舞伎界の頂点を目指す主人公の姿と、それに並走するライバルとの切磋琢磨が感動的に描かれ、観客を深い世界に引き込みます。 また、原作の深さを残しつつも、現代的なアプローチで歌舞伎の様式美と人間ドラマが融合した、日本にしか作れない芸術性の高い作品です。
吉田修一の同名小説を原作に、歌舞伎の世界に生きる男たちの50年にわたる栄光と狂気を描き出す衝撃作。今回は、主演・吉沢亮が魅せる圧巻の演技、横浜流星が纏うわずかな違和感に注目しながら、「すごいものを見た」と大絶賛される本作の魅力を紐解いていく。(文・田中稲) あらすじは、任侠の一門に生まれた喜久雄(吉沢亮)が父親を亡くし、女形としての才能を見出され上方歌舞伎の名門の当主・花井半次郎(渡辺謙)の家に引取られる。 彼はやがて、その家の御曹司・大垣俊介(横浜流星)と切磋琢磨していくが、あるきっかけで歯車が狂いだす……というストーリーだ。世襲制の歌舞伎ならではの、波乱万丈の50年間が描かれる。 「その才能は、血筋を凌駕する――」というキャッチコピーにあるように、「血に守られた」半次郎の嫡男「俊介」と、「血は受け継いでいないが才能がある」○○組組長の子「喜久雄」(親の惨殺を目の前で目撃するという衝撃的な場面から話はスタート)。 2人が運命に翻弄されるストーリーがまず怖い。歌舞伎というのは、こんな残酷な世界なのかと引くほど怖い! しかし、なにより、この映画のすごいところは、芸に取り憑かれた人間が、一線を超えたときに見る風景、感じる興奮を、疑似体験できるところだろう。その美しさと静けさに鳥肌が立つ。「悪魔と取引したんや」という喜久雄のセリフに、ゾッとするような信ぴょう性がにじみ出ていた。
〜一部を書き換えました。〜
歌舞伎とは?
歌舞伎の本物を見たことはありません。「人形浄瑠璃」は見たことが一度ありますが、背広ネクタイで観に出かけた記憶が残っています。今でもいくつかの場面が、目の前に浮かんできます。 ネットで「歌舞伎」を調べてみると、「歌舞伎とは、音楽・舞踊・演劇が一体となった日本の伝統芸能。江戸時代に庶民の芸能として誕生し、派手な衣装、役者の独特の化粧(隈取り)、静止するポーズ(見得)、そして男性が女性役を演じる女方(おんながた)などが特徴的です。」 「なお「歌舞伎」という表記は当て字で、「歌(音楽)」「舞(舞踊)」「伎(演技)」の意味で用いられています。」とありました。 ざっと、こんな事前学習で映画を見に行きました。3時間という異例の上映時間、館内は満席で高齢者が圧倒的に多いという印象を受けました。
映画鑑賞を終えて……
非常に濃密な3時間でした。歌舞伎の知識の有無に関わらず、堪能出来た映画でした。 歌舞伎の美しさの裏にある、犠牲にしなければ生きていけない醜い人生模様が展開していきました。とりわけ、血と家柄に抗うために芸を極める姿が胸を打ちました。「血(血筋)が欲しい」という喜久雄の叫びのような台詞が観賞後、頭の中をぐるぐる回りました。 配役、吉沢亮と横浜流星の両名の演技は圧巻! まるで歌舞伎役者が演じていると錯覚するほどに、見事な舞いと所作、セリフでした。繊細な表情・舞台音が、静けさの中でダイナミックに伝わってくる迫力は、まさに圧巻でした。 特に義足をつけて『曽根崎心中』、お初を演じている横浜流星を見ているうちに鳥肌が立ち、自然と涙が頬を伝っていました。 歌舞伎に魅了され、自分の運命を恨み、それでも探し求めた歌舞伎の極み。己の芸だけを頼りに、頂点を追い求めた二人の男。その先で見た景色はどのような世界だったのか……? そういう深い疑問と余韻を残したまま映画館を後にしました。
自らを顧みて……
ふりかえって、我が身のこともダブらせて思考が巡りました。今、自分自身が極めようとしている大事なモノ、それは「要約学習」です。「要約学習」はゼロからスタートして、自分が作り上げてきたオリジナルな授業スタイルです。 「総合的な学習の時間」で生徒が陥っていた問題点、「調べ学習で文章を丸写しする」「プレゼンで事前に書いた文章を棒読みする」、この二つを解決・克服する(させる)ためにスタートしたのが「要約学習」でした。 両者の課題を解決する核心は「図式」です。文章を図式化することによって、丸写しから脱することが出来ます。話す内容を(作文するのではなく)図式化することによって、人前で堂々とプレゼン(スピーチ)が可能になります。 授業スタイルは、当初からは想像出来ないほど変遷してきています。思案に思案を重ね、改良に改良を重ねてきて、今日に至っています。しかし、まだまだ自分の中では納得しているわけではありません。 楽しく、しかも、学力が伸びる授業。この極みを目指して、また2学期から授業がスタートします。今回観た映画『国宝』は、こういう視点からも大いなる刺激を受けました。
要約学習の学習指導過程