子ども達の短歌
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2024.1.17


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私の所属する赤名短歌会では
今年度も2月末日
歌集『ふじつる』を発刊します。
きのうは「序文」を書き終えました。
メインは児童生徒の皆さんの短歌です。

平成22年から
会員の歌集に児童生徒の皆さん
小・中・高校の卒業学年の皆さんの
短歌も一緒に掲載してきています。

改めて読み直してみて
その感性や表現力に感動したところです。

そこで今回は
書き終えたばかりの序文を掲載することにしました。






序文

 『ふじつる』第十八集をお届け致します。今年も多くの皆様の深いご理解と温かいご支援に支えられて発刊できたことを、心より感謝申し上げます。

 この『ふじつる』の表紙の色は、第一集から一貫してサーモンピンク色です。サケ(サーモン)のように、ふるさと(飯南町)に再び戻ってきてほしいという願いが込められています。そういう願いもあって平成二十二年度からご理解を得て、赤来地域の各学校卒業学年の皆様の作品を掲載させていただいております。多忙な卒業学年にあって作品を届けてくださっている先生方には、心より厚く感謝申し上げます。

 この序文を書くにあたり、改めて過去の児童生徒の皆さんの作品を鑑賞し直しました。あの子は今、どこでどんな人生を歩んでいるだろうか?と、一人一人の笑顔を思い浮かべながら味わいました。まさに、原石・宝石が散りばめられた玉手箱です。その中から、小・中・高それぞれ七首を掲載(敬称略)させていただくことにしました。

【小学生】

第十二集 桜舞う春のひざしがキラキラとみんなで撮ったジャンプの写真     明日香

第十集  白い息「行ってきます」と飛び出せば朝からやる気引き締まるなり   舞子

第十集  初霜がアスファルトの上染めぬいて白い綿毛が光り輝く        一花

第九集  寒い朝ふわふわの雪が踊ってる私も一緒にダンスパーティー      穂乃香

第九集  秋になりドンドコドンとお祭りだ至る所ではやしこ繰り出す      大樹

第八集  朝食後コーヒー一杯飲んだとき少し大人な気分になった        好

第八集  初雪で降り積もる雪ひらひらと飯南の町ここに見参!         涼也


【中学生】

第十七集 ありがとう言葉に色があったらなあれば世界は必ず変わる       丈

第十二集 もしこれが恋の味なら忘れない君と過ごしたあの日を胸に       尚弥

第十二集 食べて寝て遊んでもらってまたも寝て生まれ変わればネコになりたい  実里

第十一集 「君がため惜しからざりし命さへ」私ならきっとLINEで話す     遥花

第十一集 覚えよう「ありをりはべりいまそかり」これって何に使うんだっけ?   誓太

第十集  歩いてきた人生という迷宮をゴールは無いが歩き続ける        敬吾

第九集  寂しさは言葉にすればあふれ出す心の奥に秘めた気持ちを       雛子 


【高校生】

第十六集 初バイト正月ピークでいそがしく食券機の音夢に出てくる        光海

第十五集 ライト浴び(かがよう楽器に想い込め鼓面震わす感動をまた        雄太

第十三集 神降ろし五穀豊穣祈念して舞を納める晩秋の宮            桜太

第十二集 引退し部屋を片づけ持ち帰る残してしまった悔しい気持        航平

第十一集 出世してあなたを迎えに参ります強く誓った高三の冬         義仁

第九集  寒いねと話しかければもぞもぞと答えるあなたは手に汗いっぱい    恵利果

第七集  観覧車きみに近づき心臓が蛙のように高鳴っている          翔


 終わりになりましたが、飯南町教育長 大谷哲也様には「児童生徒の皆さんが短歌で想いを表現する機会が得られたこと」に喜びの気持をいただきました。学校を代表して来島小学校校長 山碕延男様には「短歌を詠む意義」について児童生徒の立場に立って語ってくださいました。ご多忙の中から感銘深いご寄稿をいただき、ほんとうにありがとうございました。

 なお、この歌集制作に当たっては、発刊の趣旨をくんでいただき、「赤い羽根共同募金」から温かい助成をいただいております。この場を借りまして厚くお礼申し上げます。

                               赤名短歌会会長 烏田勝信

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