不登校
家庭環境の変化

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2023.11.26


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不登校児童・生徒の気持ち


 文部科学省は10月6日、不登校を経験した小・中学生に行なった「不登校児童生徒の実態調査」の結果を公表しました。概要は、以下の通りです。

行きづらいと感じ始めたきっかけ

・小学生
先生のこと    29.7%
身体の不調    26.5%
生活リズムの乱れ 25.7%

・中学生
身体の不調    32.6%
勉強がわからない 27.6%
先生のこと    27.5%




不登校中の気持ち

・小学生
ほっとした気持ち  69.7%
自由時間が増えた  65.9%
勉強の遅れへの不安 63.8%

・中学生
勉強の遅れへの不安 74.2%
ほっとした気持ち  69.2%
進路に対する不安  69.2%




学校に戻りやすいと思う対応

・小学生
とくになし     57.1%
友だちからの声かけ 17.1%

・中学生
とくになし     54.4%
友だちからの声かけ 20.7%




相談相手は誰だったか

・小学生
家族      53.4%
相談しなかった 35.9%

・中学生
家族      45.0%
相談しなかった 41.7%。

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不登校になる原因10選!

【2022年最新版】

1位:学校での人間関係
2位:無気力 .
3位:勉強の遅れ・成績が悪い.
4位:学校に馴染めない .
5位:家族関係や家庭環境
6位:朝起きられないなど生活の乱れ
7位:原因が自分でも分からない
8位:身体の不調

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家庭環境の変化


 ここからは、全くの独断と偏見です。調査研究の結果というより、私が見てきた事例を総合的に分析した上での見解です。

 1つ目は、家庭の状況の変化です。

 不登校になる原因は「いじめ」など、学校というケースはむろんあります。しかし、いじめにあったからといって、該当者全員が不登校になるわけではありません。

 私の小・中学校時代も、「いじめ」が当たり前にありました。集団生活をすれば、子どもも大人も、人間関係のトラブルは避けて通れません。しかし、当時は(少なくとも私の身の回りでは)「不登校」そのものが存在していませんでした。教職に就いてからも、少なくとも18年間、見たことがありませんでした。

 勤務4校目で、初めて「不登校」を体験しました。知らずに昔流(怠け休み)に対応していました。一人はバレー部のマネージャーという形で復帰しました。もう一人(バレー部)は夏休み連日、迎えに行きました。夏休み後半は自力で登校、そのままぶじに中学校生活を終えました。

 社会が変化したから、不登校が出現し、次第に増えて来つつある。これが、私の率直な意見です。

 いちばん変わったのは、女性の社会進出です。共働きをしなければ、家計が支えきれなくなったという一面もあると思います。結婚や出産を機に退職した女性が、社会人として「働きたい」「働く」という自己実現が当然の社会になった、ということもあると思います。

 同時に、日本では「三世代同居」が当たり前の世の中でしたが、いまやここ田舎でも激減しました。仕方なしに、子どもは保育所に預けるということになります。

 昔(私の親世代)は、保育所は3歳からが当たり前でした。近年は「未満児」(1歳〜3歳未満)どころか、「0歳児(保育)」がどんどん広がっています。

 保育園に入れられる年齢は労働基準法により「生後57日以降」と決められているため、一番低い月齢は「生後2か月」となります。飯南町でも、この社会の要望を受ける形で「0歳児保育」がスタートしています。

 0歳児の場合、保育士が配置されるべき人数は概ね「子ども3人につき保育士1人以上」と定められています。保育士免許は持っていても赤ちゃんを育てた経験がない、若い保育士が担任するケースも珍しくありません。

 しかししかしです。私の娘が現在、1年間の育児休業(来年1月まで)を採って2人目の児の面倒をみています。見ていて感動的なほどに甲斐甲斐しく世話を焼いています。あやしています。語りかけています。生まれて当分の間は、泣き出したが最後、私では手に負えません。たまらず赤ちゃんを娘に託すと、あっという間に泣きやみました。

 とりわけ乳児にとって、母親は神さま仏様です。観音菩薩です。きっと私もそうやって育ったんだと思います。

 その人間としての極めて重大な時間を、他人(保育所という施設)に預けるというのは、それは赤ちゃんにとって、取り返しのつかない出来事です。昔であれば肉親の「おばあちゃん」が母親代わりをして面倒をみていました。共稼ぎの教員夫婦は、信頼出来る近所のおばあちゃんに預けておられました。

 ユニークな取り組みがあります。立山町の「孫守り」という制度です。

 「子育て世代の出産や育児負担を軽減し、祖父母と孫、祖父母と父母などの絆を深め、3世代同居を推進することにより、日常生活の安定を図り、出生率の増加に資する事」を目的とし、孫守り推奨補助金交付事業を実施しています。生後6か月から3歳の誕生月までが補助対象です。

 日本の昔の古きよき時代を取り戻そう! 赤ちゃんがすくすく育つような社会を取り戻そう! という取り組みだと、私は評価しています。

 

 むろん、母親(肉親)が乳幼児を育てたら不登校は解消するという、そんな生やさしい社会現象ではないことは承知しています。また、不登校を抱える家庭が、すべて乳幼児保育に問題があるという訳でもありません。

 これらのことは以後、徐々に見解を述べていこうと考えています。

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ちなみに


 かつて「校内暴力」が吹き荒れました。

 日本で「校内暴力」という場合には、主として1970年代後半から1980年代前半にかけて、多数の中学校(多くは公立)と一部の高等学校で発生した暴力事件を指します。

 近年も事例が報告され、統計上は増えてきていますが、当時(1970年代〜1980年代)と統計方法が違いますから、比較が出来ません。実態としては、当時から見たら校内暴力は影を潜めたと言っていいほどになっています。

 校内暴力が収まると期を一にして「不登校」が始まり、右肩上がりでどんどん増え続けてきています。


 不登校児童生徒は、中学校では 昭和50年度から、小学校では昭和58年度から、増加し始めました。

 昭和50年度の不登校の割合は次の通りでした。
小学校=0.03%
中学校=0.16%

 令和4年度の不登校の割合は次の通りでした。
小学校=1.78%
中学校=6.85%


 2023年10月4日、小中学校における不登校児童生徒数が
29万9048人(前年度は24万4940人)となり、前年度比で22.1%増加し、約30万人になったと文部科学省より公表されました。

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 学校は社会を映す鏡でもあります。不登校の子ども達は将来的に「引きこもる」ケースが多い(約20%)というデータもあります。

 不登校児童生徒のためにも、その家族の皆様のためにも、その原因を追求するとともに、何としても「解決策」を打ち出したい。打ち出してほしいと、強く強く願っています。

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一つの参考資料として
以下に掲載します。

引用元=https://sabusuta.jp/column/former-truant-features/




不登校になりやすい家庭の4タイプ


@ 子どもに対して無関心な家庭
A 子どもに対して過保護な家庭
B 両親の仲が悪い家庭
C 劇的な環境変化があった家庭

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不登校だった人の特徴


@:内向的
A:劣等感が強い
B:協調性の不足
C:完璧主義
D:プライドが高い
E:神経質
F:〇〇すべき思考
G:正義感が強い
H:強情
I:自立心が弱い

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