教育崩壊
編集;産経新聞社会部
前半
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2023.10.29


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本の紹介


 公立の小・中学校で問題となっている学級崩壊や、ゆとり教育による学力低下を危惧する多くの親たちは強い不信・不安感を覚え、子供を私立・国立へ進ませたいと考える。ここまで公立教育が地に墜ちてしまった底流には何があるのか。子供達と学校の未来は、一体どこへ行き着くのか。学力危機や秩序の崩壊に悩む日本各地の公立学校現場で、教育の再生を志し、問題の解決を模索し続ける教師、PTA、地域の取り組みを、気鋭の新聞記者達がルポルタージュ。

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要約紹介

 (都会の)多くの保護者は、「難関小学校へ行かせたい。」と思っています。その本音は、「公立の小中学校には、我が子は任せられない。」です。

 以前、公立学校では「型を教える教育」が行われていました。が、「個性重視の学校教育」が打ち出されてから、厳しい指導はなじまないとされるようになりました。

 結果、子どもが勝手気ままに振る舞う、授業が成立しない状況、つまり「学級崩壊」が起こりました。特定の教員の授業が成立しないのです。教員の指導力不足が指摘されるようになりました。

 教員の高齢化も一因とされています。京都市の場合、教員の平均年齢が、平成3年36歳でした。10年後の平成13年には、一気に44歳になりました。

 一方、家庭教育の変容も指摘されています。子どもを叱れない親が増え、しつけ不足の結果、我慢できない子が増えました。ルールを守れない子が増えました。幼児教育における「自由保育」も、それに輪をかけました。

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コメント
一概には言えませんが
教員をめぐる環境は
確かに変化しました。

私は奉職した昭和49年頃
保護者は教員に一目置いていました。
よほどの奇行がない限り
大学出たての若造であっても
信頼を寄せてくださっていました。

有ってはならないことですが
仮に体罰があったとしても
学校に怒鳴り込んでくるなどということは
皆無。

逆に
子どもが帰って親に告げると
「おまえが悪い!」と
再び家庭でも叱られる始末です。

だから
教師として
子どもを指導しやすい環境にあったと言えます。
多くの場合
指導が指導になっていました。

それが何時の頃か
たぶん
私の身の回りでは
平成10年代後半からです。

時に教員をバカにしたような言動も
見聞されるようになりました。
「センセイは世間知らずだケーノー」と公に述べたり
匿名投書や誹謗中傷メール
町教委や県教委へ
直接(匿名で)苦情を入れる。
実際に校長室に怒鳴り込んでくる。
その上、見下げたような言葉遣いも……。

田舎のことですから
こういう荒っぽい言動をされるのは
ごくごく限られた一部の保護者です。

昔(若い頃)と完全に
立場が逆転した思いがしたものです。

当然の如く
ごく一部ではありますが
子どもも変わってきました。
教員に罵声を浴びせる
悪態をつく
言うこと聞かない
………………

しかし
大半の子どもが
純朴で礼儀正しくて
先生と生徒との距離感を
それなりに保っていることは
救いではありました。








手に負えない状況に……

要約紹介

 多くの教室から、教壇が撤去されました。いじめ・不登校・校内暴力・学力低下・問題教師、……。平成10年、男子生徒の喫煙率は30%、女子生徒は17%。注意すると開き直る。まさに手に負えない状況です。

 厳しく指導すべきではありますが、そうしても効き目は無し。親から感謝されることも無し。

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コメント
こういう状況は
大半が都会の出来事だと思います。
少なくとも
私の勤務校においては
さすがに
こういう殺伐とした世界は
存在しませんでした。

ただ
情緒障害と診断をくだされた生徒の中に
例外的に
これに近いことがあったことは確かです。

行動が自分勝手
キレる
悪態をつくなど
特に配慮を要する生徒は
受診すると決まって
診断名が付いて戻ってきました。

言い方を変えれば
特別扱いのスタートです。
まさにはれ物に触るような関わり方……。
学校も変わったなぁ〜と思ったものです。


それにしても
この『教育崩壊』で紹介されている
学級崩壊のおぞましさ。
自分がこういう立場に立たされたら
どんな態度を取るでしょうか?
どんな態度が取れるでしょうか?
自信がありません、……。