@ なぜ人はあがるのでしょうか。実は、「あがり」は脳が正常に働いている証拠でもあるのです。私たち人間の脳は生命維持のための安全機能を備えています。例えば危険を察知したとき私たちの体は、とっさに跳びのきます。これは脳の安全機能が、物理的な面から命を守ろうとしたのです。同様に脳は、精神面からも命を守ろうと働きます。
A アメリカの心理学者シュッツは、人の自尊心には「好かれたい、理解されたい」という自己好感、「重要な存在として認められたい」という自己重要感、「有能であると評価されたい」という自己有能感の3つの欲求があると唱えました。大げさにいえば、私たち人間にとって自尊心とは極めて重要です。それが傷つけられるかもしれないと感じた瞬間、脳は「あがり」というアラームを鳴らすのです。 ※ 自尊心 =自分の人格を大切にする気持ち。プライド。
C 「あがり症」で悩んでいる人の多くは、とても真面目です。「うまく喋らなくてはならない」と自分を責めるあまり、「うまく喋れない」自分にいら立ちを覚えるのです。結果、喋ることが怖くなってしまっているのです。喋りは下手でもいいんです。人はペラペラと器用に話す人よりも、朴訥(飾りけがなく無口なこと)でも一生懸命に話す人に好意的です。「ぜひ伝えたい」という熱い思いを最優先して、心を込めてプレゼンに臨みましょう。