聞いて伝える
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2023.10.14


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保育所勤務時代の実践


 保育所勤務時代、年長児を対象に4年間、「メモせずに聞いて⇒再現する学習」を実施しました。この実践を通して、いろいろなことを学ぶことができました。

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@ まずは話す内容が、幼児に入っていかない。=理解してもらえない。
A 聞いた内容が理解出来たのに、いざ再現プレゼンするときに内容が思い出せない。
B 頭の中では分かっている(覚えている)のに、人前に出るとうまく話せない。

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@ 語彙の問題

 語彙の問題がありました。噛んで含めるように、日常会話の言葉を使って語りかけることが大事。ほかならぬ私自身が鍛えられました。

 次に、話す題材に原因がありました。年長児に興味・関心がある題材(=身の回りのこと、不思議なこと、虫や動物など)を準備することが聞く意欲を引き出します。
 当初は欲張って、話す量が多いという問題点もありました。「聞いて伝える学習」の導入段階では、話す内容は欲張らな いことが肝要です。聞く・話すことに慣れてきて、だんだん乗り越えることができるようになったら、話す内容を増やしていきます。(アリさんには3つの面白いことがあっても、初期段階では一つだけにする。)

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A 短期記憶の問題

 ほとんど@の課題と重なります。特に短期記憶が難しい幼児については、内容も易しく、話す長さも短くコンパクトに! という配慮が肝要です。

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B スピーチ力の問題

 プレゼンを始めても途中でつまづいたら、ヒントを与えながら話させることで次のチャレンジ(成長)へとつながります。

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雨だれ石を穿つ


 この体験を重ねていくうちに、大半の年長児はどんどん成長していきます。だんだん「難しい内容」「聞く量(1つあります→3つあります)」ともに向上していきます。年度末を迎え る頃になると、小学校中学年の読解教材程度も十分こなせるほどに成長します。

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保育所での実践例