図式を
読書に使っています

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2023.10.07


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お手紙
ありがとうございました


 上掲の手紙は先般、要約学習の授業を行った4年生担任の先生から届いたものです。

 初めて学級担任として児童に関わりながら「要約学習」の授業を観られての率直な感想と、ありがたく受け止めました。

 授業では45分間内で、さまざまな学習活動が展開します。

1)文章を読みながら図式を書く。(8分)
2)書いた図式を見せながら、友達にプレゼンする。
3)図式を見ずに、プレゼンにチャレンジする。
4)図式を見ながら作文する。(5分)

5)指導者のプレゼンを聞きながら図式を書く。(6分)
6)図式を見せながら、友達にプレゼンする。

7)与えられた課題について、自分なりの意見を「キーワードの形で」まとめる。(3分)
8)自分の考えを友達に披露(プレゼン)する。

           ……プレゼンは全て40秒以内。

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要約学習
学習指導過程


1)25分間 ……文章を図式化(8分間)し、図式を見せながらプレゼン(40秒で内容 伝達)します。その際、4人グループ内で各々違う文章を読み、一対一でプレゼンし合 います(合計3回プレゼン)。 ⇒ なお、3回目は何も見ずにプレゼンに挑戦します。

2)書いた図式を見ながら文章化します。
(著作権に係らない調べ学習の姿)


3)10分間 ……指導者の6分程度の話を聞きながら図式化し、聞き終えたら図式を見 せながら、話の内容を40秒で他者(2人組)に再現して伝えます。


4)10分間 ……指導者から提示された課題について自分の考えをキーワード(図式) の形でまとめ(=3分)、⇒[※]自分の考えを他者(2人組)に発表します。

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[※]今求められている学力は、
情報を受け取るだけではなく
「調べたり考えたりして自分の考えを練り、まとめ、人に伝える」という情報活用能力です。
これは、「総合的な学習の時間」創設の根幹に関わる学力です。






モットーはテンポよく!


 児童にとっては、連射砲のように繰り出される学習課題に、果敢に取り組みます。指導者(私)は、いつも時間との闘い(延長授業をゼッタイしない)です。

 どの学校、どの学級でも、児童生徒間の学力差は否めません。通常、学校の先生は「遅れがちな子」に視点を当てて、ゆっくりめに授業が展開します。早く学習を終えた子には、それなりの学習課題が与えられるのが一般的です。

 しかし私は、制限時間を与えたら、そこで学習をストップさせます。授業進行上やむを得ないと言うこともありますが、それよりも、時間がかかる(遅れがちな)児童を救う意味もあります。

 与えられた平等の時間内で、せいいっぱい頑張ること。このことが一番大事です。途中でもいいんです。途中までプレゼンすればいいんです。 ……いつも、子ども達にはそのように語りかけています。

 出来た出来なかった、評価が高かった低かった、……そういう評価は当然必要です。でも、一人一人の子どもにとっては「限られた時間内、ベストを尽くして頑張った」ということが貴重です。次へつながります。成長と飛躍につながります。

 私の授業を観られた先生が、よく言われます。「先生の授業はテンポがいいですね。」 ……たぶん、上記のことをふまえての感想だと受け止めています。

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要約学習の手法を取り入れる


 先生の手紙に書いてある「要約学習の手法を他の学習活動に生かしていきたい。」という言葉を嬉しく拝見しました。

 授業の中に果敢に「図式」を取り入れる。

 授業の中にミニプレゼンをどんどん取り入れる。

 プレゼンしたことを文章化させる。

 聞き取った内容を相互にプレゼンし合う。

  ……再現出来て、初めて「分かった」と評価出来ます。

 自分の意見を短時間でまとめる。

 まとめた意見を友達に披露(プレゼン)しあう。

  ⇒ 意見交換する。

 ぜひとも、他の教科の授業などに取り入れていってほしいと期待しています。

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読書に図式を取り入れる


 読みながら図式化する。 ……これは、私が日ごろの読書に導入している方法です。読み進めながら、次々と建築物を完成していくように、書かれている内容を組み上げていきます。常に読み終えたところまでを「概観」「俯瞰」しながら読み進めます。

 読み終えたら、書き終えた図式は宝物です。情報カプセルとして、私のファイルに納めます。いつでも引き出して、短時間で一気に内容を思い出すことが出来ます。

 手紙をくださった先生も、読書に図式を活用するとのこと。きっとその素晴らしさを体感されるものと確信しています。

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果敢に責めます!


 今年度も2学期は9月以降、要約学習の授業ラッシュが続いています。毎週3時間〜4時間(一日2時間)12月第4週まで続きます。(その他にもさまざまな会議や要件が、日程表に記入してあります。)

 授業を終えたら、一人2枚ずつワークシートの点検(コメントを書いて評価)が待っています。全員のワークシートを点検し終わったら、学級集団の分析をして、全体コメントを書きます。ほぼ毎晩のように、この作業を行っています。 ……現役時代の時より、夜が多忙だと感じています。

 でも、有難いことです。嬉しいことです。

 退職する際、先輩から言われました。「退職したら『キョウイク』と『キョウヨウ』が大事だぞ。」

 キョウイクとは、今日行くところがあること。キョウヨウとは、きょう用があることだそうです。家に引きこもることなく、社会とつながっていないと老化減少が加速するという意味だと受け止めていました。

 その多忙の中味が、授業をすることです。現役時代、私がいちばん「やり甲斐」があった授業が、72歳の今になっても怒濤のように出来るのです。仏壇で拝むときには、いつもこのことについて感謝しています。

 きのう、初めて松江の学校から要約学習の依頼がありました。少し遠くてたいへんではあります。でも、一人でも多くの児童生徒、先生に「図式」を伝えたい! という私の強い願いが広がります。電話で依頼があったとき、即座に快諾しました。

 ただ、12月第4週まで、手帳がかなり埋まっています。(来週予定の)日程調整がうまく行くか、心配な私です。

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