一つの文章から読解問題を考え出す人には、いつも頭が下がります。しかし、なかには読解力を診る問題というより、クイズに近い発問もあって愕然とさせられることもあります。
が、さすがに(島根県)入試問題となれば、文章内容も中学生に読ませたい内容が準備されています。発問も読解力を診る上で、よく練られた発問だと感心させられます。
ただ、思います。創意工夫を凝らして設問を考えなくても、図式を書かせてみれば読解力が一目瞭然で分かります。要約文でもいいのですが、ただ採点が面倒です。
なお、文章を読んで要約文(図式)が正しければ文章を読めたかと言うと、まだ不十分です。その文章を読んで(考えに接して)自分はどう考えるか? 感想や意見などのコメントが述べられないと、本当に文章を読んだとは言えません。
これは、1989年(平成元年)改定の学習指導要領で打ち出された「新しい学力観」に立った学力です。
以前(私が教諭として国語の授業を行っていた時期)は、「そこにある文章がいかに正しく読みとることが出来るか」、この視点に立って授業を行い、学力テスト「国語」もそういう視点に立った発問でした。
「新しい学力観」に立った学力は、上記の下線部が要求されています。また、学力テストも下線部を診断する発問が盛り込まれています。
採点基準が難しいのですが、島根県入試問題においても毎年、出題されています。具体的には「作文問題」として出題されています。(はるか昔、確か平成6年、作文問題第一号は私が作問しました。当時は配点もたった3点、字数も確か30字程度でした。)