2023.8.27
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先日、M出版社から、機関誌「国語教育相談室」が届きました。今回の特集は、プレゼンテーション。特に12ページにわたる上の企画が共感するところ大、ここに要約して紹介することにしました。
プレゼンの極意
まずは、中谷日出 氏の草稿を紹介します。仕事柄、ご自身もプレゼンに関する講師を務めておられ、毎日がプレゼンテーションの連続とのことです。私と同じく、プレゼンの神様(私が勝手に命名)池上 彰 氏がお手本とのことです。
プレゼンテーションマッピング
事前に、プレゼンテーションマッピング(中谷氏の命名)を描かれるそうです。いわゆる「図解」、つまり「図式」です。私のやり方と一緒です。 この「図解」を描く過程で「自分が伝えたいこと」は何かが明確になるとともに、「聞き手が知りたいことは何か」が(独りよがりではなくて)ハッキリしてくるとのことです。 このプレゼンテーションマッピングの積み重ねは、「要約力」の力を付ける上で極めて有力とのこと。全く、私も同感です。 なお、この「要約力」は、プレゼンテーションの基礎であるとともに、プレゼンテーションには必須の基礎力とのことです。これまた同感です。
伝えたいという気持ち
別の視点から、プレゼンの極意を言うとしたら、「伝えたいという強い気持ち」だそうです。これが、プレゼンの原動力となります。 中谷さん自身、プレゼンの前には、自分の気持ちを盛り上げる、伝えたいという思いを最大限に高めるとのことです。 ……おやおや、これまた私の場合と一緒です。 ちなみに、「要約学習」の授業の場合、小学校低学年は「聞き取りから再現」(全て音声言語)を二人ペアで行います。1時間授業で、通常8つの教材(文章)を持っていきます。 授業の途中で、いつも伝えていることの一つが、中谷 氏の強調しておられる「伝えたいという強い気持ちが、プレゼンのパワーを産む」という現実です。
テクニックではありません
こういう二つの心得を念頭に、資料を準備です。常に、資料は相手重視、相手尊重です。子ども達の興味を惹く題材、これが授業の要です。要約学習において、教材が命です。 プレゼンは、聞き手のために行われます。むろん、プレゼンにテクニックは必要です。が、それは枝葉。重要なのは、次の二つです。 @ 伝えたいことを明確にする。A 伝えたい思いを最大限に高める。 こういう気持ちを持って本番に臨むと、相手は耳を傾けてくれるし、話の内容に共感もしてくれるのです。
なおこの他にジャーナリスト・コピーライターなどさまざまな分野の方のプレゼンの秘訣が一人一ページ割り当てで紹介されていました。 以下に心に残った内容を紹介します。
言葉巧みで流ちょうな話しぶりだったけど、何も心に残らなかったことはありませんか? 聞いている人の気持ちになって話す。このことの重要性を、ぜひ心に留めてください。(ジャーナリスト 見城美枝子 氏) いくら事前準備をして、自分の思いをうまく話せたとしても、自己満足ではダメです。いい話が聞けたと、相手が満足してくれなくては、話した意味がありません。(コピーライター 寺井晶博 氏) この人の話を聞こうという気持ちを喚起するのは、論理ではありません。感情です。ぜひあなたに伝えたいという熱い思いを持って、相手の目を見てスピーチする。身振り手振りで図解する。声も、情感に訴えるように語りかける。 ……こういう熱意が重要です。スピーチは、スポーツなのです。(日本プレゼン・スピーチ能力検定協会理事長 荒井好一 氏) プレゼン資料を作る前に、聞き手のニーズを念頭に、「何を伝えたいのか」をハッキリさせておくことが大事です。「これで伝わるだろうか?」と吟味しながら、資料は作るべきです。(小学校教員 曽我部義則 氏) プレゼンというと、パソコンとかプロジェクターとか、大がかりなものをイメージしがちです。しかし、授業ではシンプルさをベースにプレゼンすることを目指すべきです。これが出来て、機器の活用が生きてくるのです。(同上) プレゼンでは、流暢に話すことよりも大事なことがあります。聞き手を意識し、伝えたい内容をしっかりと話せているかどうか、ここに重きを置くべきです。(同上)