中学校統合か?
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2023.7.1


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飯南町教育環境基本方針


 標題の答申(案)がまとまりました。7月〜8月、町内4か所で説明会及び質疑応答が計画されています。

 堅苦しい標題ではありますが、要するに「学校統合問題」に関する基本的な考え方が示されたものです。率直に言って、2つの中学校は統合、4つの小学校はそのまま存続、という提案です。

 現状(令和5年度)は、次のような状況です。矢印の右は、令和11年度の見込み人数です。

頓原小 57名 ⇒47名(82%)
志々小 14名 ⇒14名(100%)
赤名小 59名 ⇒45名(76%)
来島小 42名 ⇒45名(107%)

頓原中 49名 ⇒32名(65%)
赤来中 65名 ⇒43名(66%)

 人数もさることながら、来島小にあっては「単式」「複式」を繰り返すような状況にあり、教育環境としては大きな課題を抱えながらの学校運営が続きます。

 今ひとつは、予想どおりの人数で推移すると志々小は、令和8年度から教頭が学級担任を兼任するという教員配置となります。これまた、学校運営上、大きな負担となります。

 しかしながら、教育環境検討委員会の結論としては、小学校はできるだけ地元に残そう! という方針です。小学校が廃校になると地域が寂れます。活気が失われます。小学校は地域の宝です。

 私自身、校長として勤務した「君谷小学校」(16人)、「小田小学校」(26人)が廃校となりました。その後について、あれこれと目の当たりにしてきました。しかし、(旧)小田小学校校区は、廃校となった校舎を基点として鋭意、地域振興に取り組んでおられます。

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飯南町内の2つの中学校は
統合すべきか?


 先日、赤来中学校での要約学習「メディアリテラシー」で、この学校統合問題を取り上げました。「単独校」「統合校」それぞれの利点を考えてもらいました。それぞれ3つずつ以上という条件付きで3分間、時間を取りました。りっぱです、ほぼ全員がそれぞれ3つずつ以上、良いところを書きました。

 この題材で強調したかったことは、次の点です。


 単独校、統合校、それぞれが正論。それぞれに長所・短所がある。したがって、賛成・反対よりか、大事なことは、両面から立体的に視野を広く持って考える姿勢が大事である。

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 「メディアリテラシー」の学習場面ではディベートではなく、どちらの立場からも「よさ」を考えるという指導過程をとっています。

 何ごとも、いい面と悪い面とがあるものです。そのいい面をしっかり吟味して生きていくのが「賢い」生き方だと、常々考えています。

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赤来中学校の生徒の意見


 少し脇道に入ってしまいましたが、生徒の皆さんが考えた「よい点」を、以下に列挙します。


統合しない(単独校)

 少人数だから、校舎・体育館・校庭などが広く使える。

 個別指導が行き届く。

 質問しやすい。

 発言しやすい。

 移動がスムース。

 行事がスリム。

 仲がいい。まとまりやすい。

 気楽に過ごせる。

 先輩・後輩の仲がいい。

 アットホーム。

 全校生徒の顔と名前が一致する。

 授業など、先生が指導するのに楽。

 校と家との距離が近い。

 親が送迎するとき楽。

 スクールバスが要らない。

 それぞれの中学校に伝統がある。

 親が通っている中学校で学びたい。

 新校舎建設なら、お金がかかる。

 現校舎活用なら、どちらにするかもめる。

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統合する

 人数が増えるから、新鮮。

 部活動の部員が増える。

 部活動が強くなる。

 部活動の種類が増えるかも?

 活気、元気が良くなる。

 行事が賑やか、ハデになる。

 体育祭の「色」が2組から3組になる。

 新しい友達。気の合う友達。交友広がる。

 多様な意見が出る。

 何かと出来ることが増える。

 遊びが広がる。

 掃除が行き届く。楽。

 町内に一体感が出る。

 赤来対頓原という意識がなくなる。

 中高一貫教育がしやすくなる。

 バス通学の人が楽になる。

 スクールバスが、日ごろ活用出来る。

 新しい制服になる。

 先生の数が削減出来る。

 飯南町の税金を使うのが減る。

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 この他にも期待していた見解がいくつかありますが、とりあえず中学生らしい意見を出してくれました。

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今後は?


 今後、様々な意見が町民から寄せられ、どのように展開していくのでしょうか? 紆余曲折が予想されます。

[私が考える]理想的な姿は、今の来島小学校の校舎を使って「統合中学校」がスタートすることです。飯南高校と隣接するので、本来の意味での「中高一貫教育」が展開する可能性があります。

 ただ、この構想が実現するためには「赤名小と来島小とが統合して、現在の赤来中の校舎を使う。」という構想が同時に実現する必要があります。今回の統合案からは、全く論外の考え方です。

 一方、小学校については、やはり4地区(頓原・志々・赤名・来島)に学校があるのが望ましいのは間違いありません。地域の活性化と密接に関係があるからです。

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