少子化問題
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2022.11.27


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過日(11/12)
日本総研のホームページに
今年の出生数が激減するとの情報を掲載しました。
以下、その概要(一部)情報です。


 2021年の合計特殊出生率は1.30、過去最低を記録。

 2022年の出生数(日本人)は、初めて80万人を割って、前年比「マイナス5.1%」の77万人前後となる見通し。

 2016年以降、出生数は年率「マイナス3.5%」のペースで減少してきたが、2022年はそれを上回る減少率となる見込み。

 2022年の婚姻数は、前年から微減の50万組となる見通し。少子化ペースの加速は、2020年から2021年にかけて、婚姻数が急減したことが関係したとみられる。

 国立社会保障・人口問題研究所がコロナ禍の2021年に実施した出生動向基本調査によれば、若い世代で「一生結婚するつもりはない」との考えの広がりが認められる

 これまでわが国では、「結婚したら、子どもは持つべき」という考え方が肯定的に受け止められてきたが、今回の調査では「肯定的な考えを持つ独身者が男女とも顕著に減少」しており、結婚と子どもを持つことを切り離して考える若者が増えている状況が見られる。

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 NHKスペシャル
市民参加型の討論番組
テーマ「超少子化」を視聴しました。



少子高齢化


総人口の減少以上に深刻なのは、子供の数の急速な減少です。合計特殊出生率が現状から横ばいで推移しても、現実に産まれる子供の数は2010年頃から急減し、2055年にはわずか45万人となると予想されています。世界の中でも、ここまで少子化が深刻になっている国はありません。

一方、65歳以上の高齢者の数は、過去最高となった2012年の2,975万人(高齢者率23%)から、2042年には3,878万人となり、高齢者率はさらに上昇し続け40%に近づくとみられています。

昭和25年には1人の高齢者に対して10人の現役世代がいました。平成22年は2.6人でした。ところが将来は、現役世代(20〜64歳)1.2人で1人の高齢者を支える社会になります。

少子高齢化に伴い、社会保障給付費は急増しています。経済学者の鈴木亘の試算によると、社会保障の国民の負担率は、2011年で35.9%(消費税を含むと38.8%)ですが、2025年には39.0%(同52.1%)、2050年には51.0%(同71.3%)と、急激に負担が増える見込みです。

福祉大国と言われるスウェーデンは、負担割合は非常に大きいですが、十分な社会保障が受けられることから、将来に不安がないと国民の多くは考えており、現役世代は十分納得して負担しています。

一方、日本の場合は急激すぎる少子高齢化のために、十分ではない保障のままで負担割合だけがどんどん増えていきます。制度を何も変えなければ、負担割合は将来にわたりずっと伸び続けることになります。それは不安に直結します。

社会保障に関しては、年金等の設計時に、出生率の推計が誤っていたことにより、制度が危機に瀕していることが指摘されています。現在でも、将来の経済成長率や金利等を甘く見積もることで、深刻さを隠そうとする傾向があります。

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 今年8月10日、財務省は「国債と借入金、政府短期証券を合計したいわゆる「国の借金」が6月末時点で1255兆1932億円だった」と発表しました。

 3月末から13.9兆円増え、過去最多を更新しました。国民1人あたりで単純計算すると、初めて1,000万円を超えたことになります。

 キャリアと呼ばれる「頭脳明晰な人材」が舵取りをしているはずなのに、日本はどうしてこんなアリジゴクに落ち込んでしまったのでしょうか? 誰がどのように責任を取るんでしょうか? 舵取りをしたキャリア組は、莫大な? 退職金を手にして、相応の年金をもらって、その上、「天下り」とかでほくほく暮らしているのでしょうか?

 国家は「国債」という方法を使って、莫大な借金をしています。誰から?……銀行から。その銀行にお金を預けているのは国民だから、つまりは国家は国民から借金をしています。ちゃんと返してもらえるのかな? 

 財務省は公にしていませんが、国家財産(外国の国債、国内の土地・建物など)が約600兆円あるようです。また、国債のうち約半額は「日本銀行」に借金。つまり、実質的には借金ではないようです。

 しかしながら、国民の借金ではないにしても、「政府の借金」には違いありません。

 今回のコロナ関連でも、今年3月時点で既に77兆円を使い、その後も(ワクチンやGoToトラベルキャンペーンで)どんどん気前よく? 国債発行によってお金を使っています。

 多分、国家予算「一年間の歳出」(100兆円)を突破するに違いありません。それもこれも、新型コロナ感染症を「死の病」の「感染症第2類(実際は第1類)」に置いたままだからの出費です。

 データ的にも、新型コロナ(オミクロン株)は季節性インフルエンザの致死率と同程度(約1%)です。新型コロナを「死の病」と位置づけて対応しているのは、もはや中国を除けば日本だけです。

 話がそれました。

 この政府の借金は将来、どうなるのか?

 私の予測では将来、デフォルト(国債の償還(返済)が行えなくなった)しかないと思います。そうなったときには、銀行に預けた預金は戻ってきません。

 実際には「ハイパーインフレ」だろうと思います。これまでの「一万円札」は使えません。「銀行で新一万円札と交換するのなら大丈夫です。ただし、それまで使っていた一万円札の価値は、新一万円札の価値の 1/100 です。」 ……つまり、一万円が「百円」の価値になるのです。

 一千万円の預金が、実質は10万円になることを意味します。実に990万円の損です。

 一方国家の借金「一兆円の返済は、百億円」になります。9千900億円も減額となります。これなら、国は国家予算をガラガラポンで立て直すことが出来ます。お金持ち(銀行預金)に借金返済を助けてもらうという図式です。

【過去のハイパーインフレ】
 日本銀行の調査によれば、1934〜1936年の消費者物価指数を「1」とした場合、1954年は「301.8」となった。つまり、8年間で物価が約300倍となった。

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家族格差の拡大


人口が減って、消費が低下すれば、投資も起こりにくくなります。そして現役世代の数が減れば、労働力の供給も不足します。これらから、経済成長に悪影響を及ぼすことが懸念されます。

各家庭の子どもの数が減る形での少子化であれば、家族の間の格差は少ないですが、結婚をしない人が増えることによって少子化が起こっていることから、将来は、子どものいない家庭が増えることが確実です。

つまり、ある家庭は結婚して子どもが2人いて、ある家庭は一人暮らしといった家族の間の格差が拡大するという予測がされています。一人暮らしの老人の問題が、今以上に深刻化する可能性が高いと言えます。

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 結婚しない成人が増え続けている昨今、これは多くの国民に身近に差し迫った課題です。

 さらには、「子どもが親と同居して親の老後の面倒をみる」という、実に日本的な家族スタイルは転げるように崩壊してきています。

 三世代同居であれば、一つ屋根の下に住んでいますから、住居費、電気・水道・下水道費、不動産税など分かち合えます。家を別にするのと比べて、その合計出費はぐんと少なくなります。 ……この「古き良き時代のスタイル」が、日本ではガラガラと崩壊する一方です。

 子どもがいないということは、孫もいません。生涯一人暮らしです。もっとも「財産」(預金)があれば、退職後の年金と合わせれば、自活したり老人ホームに入ったりして、生涯を終えることも出来るでしょう。

 ところが、非正規労働者が40%という時代を迎えています。昔の「終身雇用型」は、これまたガラガラと崩れてきています。
一人暮らしの老人の問題が、今以上に深刻化する可能性が高いという指摘は、外れているとは思えません。

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スウェーデンの少子化対策


日本の大都市圏は、出生率が低いですが、若者の流入が多いことから、出生数はあまり変わらず、少子化は深刻ではありません。一方、地方は出生率の低下が小さくても、それ以上に若者の流出が多く、出生数が激減し、過疎化が進んでいます。地方と大都市の間の格差が、さらに拡大していくことが予想されます。

今の高齢者は、高度成長期と終身雇用制により安定した収入と収入の増加を得てきました。それに対して、今の若者は、低成長の時代を迎え、将来に予想される収入の増加があまり大きく見込めないことや、雇用形態の変化と非正規雇用等の問題で、安定した雇用と収入を得られない可能性が大きくなっています。

なぜこんなことがおこっているかというと、急激な少子化により、年金、医療などの社会保障費の現役負担割合がどんどん大きくなっていくからです。払うお金は多くなりますが、受け取るお金は減っていきます。




世界の先進諸国は等しく少子化の悩みを抱えています。そんな中、家族政策により出生率を回復させている国がフランスとスウェーデンです。

フランスでは、出生率が1994年に1.65で最低となり、2010年に2.01に回復。スウェーデンでは1999年に1.5で最低となり、2010年には1.98と回復しています。

スウェーデンでは、サムボによるカップルが多く、法律婚のカップルの9割以上がサムボを経験しており、お試し期間として機能していると考えられています。

また、サムボカップルに生まれた子ども、すなわち婚外子に対する法律上の差別はなく、法律婚カップルの子と同様の権利が保障されています。2008年における婚外子割合は、54.7%と半分以上を占めており、未婚のまま子どもを産む事が社会的に認知されていると言えます。

育児休業取得率は、女性で8割強、男性では8割弱と、男女とも高くなっています。日本の取得率は女性70.6%、男性2.6%で、男性はほとんど利用できない仕組みといえます。

日本では出産すると仕事を辞め、その後再就職する女性が多く、スウェーデンでは出産後も仕事を辞めず休暇制度を利用し、仕事と育児との両立をして います。

未婚の場合には、日本とあまり差がないことがわかりますが、結婚後では、仕事をしている女性の割合が、日本より圧倒的に高いのがわかります。

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○スピードプレミアム
子どもを出産する間隔を短くすると優遇される制度。
○サムボ(事実婚、同棲)制度
サムボとは、登録している住所を同じくし、継続して共同生活を営み、性的関係をもつカップルの事です。




 スウェーデンの例は、大いに参考になります。「サムボ」とやら、……「サムボカップルに生まれた子ども、すなわち婚外子に対する法律上の差別はなく、法律婚カップルの子と同様の権利が保障されています。2008年における婚外子割合は、54.7%と半分以上を占めており、未婚のまま子どもを産む事が社会的に認知されていると言えます。」

 これが、少子化を止める手だてとのこと。それにしても「婚外子」の割合が半数を超えているという実態には、驚かされます。「事実婚」「同棲」であって、婚外子が社会的に認知(保障)されていれば、少子化が止められる! そういうものですかね、驚きです。

 それ以上に、
育児休業取得率は、女性で8割強、男性では8割弱(日本の取得率は女性70.6%、男性2.6%)という両国の違いには驚かされます。スウェーデンは、(日本と比べて)圧倒的に男女平等社会と言えます。

 県外もかも知れませんが島根県にあっては、子どもの「医療費無料」、第2子以降の保育料減免(もしくは無料)という施策が競うように広がっています。少子化対策の一環なのです。コップの中の争い、田舎同士で少ない子どもの奪い合いをしていても仕方ないのですが、……。

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